この知らせに中国メディアは強い反応を示し、日本が将来の侵略戦争に備えている、と報じた。北東アジア研究所長ダ・ジガン氏は、射程300kmのミサイルは中国の沿岸地方を狙ったものかもしれない、と述べた。中国外交大学国際関係研究所のジョウ・ユンシェ教授は、当該ミサイルが配備されるとすれば、それは日本が激しい戦闘に備えていることを意味する、としている。「このミサイルはロシアのS300をも飛距離で上回っており、しかも中国のミサイル複合体より完成されている」とのこと。
日本のブロガーたちはこれとは異なる立場を示している。「え、23年度?あと7年ほどかかるの?」「尖閣に配備せい!」「配備される頃まで中国が待っててくれると良いけど」「アメリカからミサイル買った方が早い」等のコメントが見られる。
太平洋の係争諸島が日中軍事紛争の現場となるのか?軍事専門家ウラジスラフ・シュルィギン氏は次のように語る。
「日本は実は中国との戦争を望んでいない。両国とも強度の経済的依存関係にある。紛争があれば10年以上続く出口の見えない不況にあえぐ日本経済に深刻な打撃となる。エネルギー面では日本はなお福島第一原発事故と津波の被害からの完全復活に程遠い。復興には長い平穏な時が必要なのだ。第二に、日本の自衛隊は中国の敵になるに十分な攻撃力を持っていない。海上自衛隊は充分現代的で人員数も多いが、諸島を固守できるような上陸部隊もない、攻撃力もない。少なくとも現時点で自衛隊に取るに足るほどの拡張を行える力はないのだ。中国のほうはかなり以前からアジア太平洋地域のリーダーとなること、地域における古くからの地政学的ライバル日本を駆逐することを優先課題としてきた。しかし中国も、日本の背後には米国がおり、米国は強大な軍事力でアジア太平洋地域の自国益を守ろうとしているということをよくわかっている。軍事面では米国は日本よりはるかに強大な相手だ」
8月初頭米国国防総省はグアム基地に老朽化したB52にかえて戦略爆撃機B-1Bランサーの戦隊を派遣した。原因は北朝鮮のミサイル実験という。しかしB-1Bランサーに「遠方攻撃に関する排他的能力」があることを考えると、これは中国への警告ともみなされかねない。
ただし、遠方防衛レベル向上計画が日本の安全保障計画に組み込まれたのは2013年だ。当時は射程500㎞の自前の弾道ミサイルを2016年までに開発開始する計画さえなされた。しかし新公明党の、そうした動きは憲法9条に抵触するのではとの懸念から、防衛相は計画取り下げを強いられた。