「両国の関係はまだ思わしくなく、歴史的な日付は火に油を注ぐだけだ。過去数年間、アジア太平洋地域における二つの主要な同盟国である韓日を仲良くさせようとする米国の努力にもかかわらず、韓国のパク大統領と日本の安倍首相はほとんど会談しなかった。東京とソウルの間の齟齬をせめて少しでも埋める機会は最近になってやっと訪れた。きっかけは日本がいわゆる「従軍慰安婦」問題を政府レベルで認めたことだ。
そして、被害者らに金銭的補償を支払うことも決められた。この問題は解決されたかに見えた。しかし、日本政府の行動は遅きに失したようで、韓国の世論は理解をもってこれを受け止めなかった。女性らの名誉と尊厳はまだ回復されていないとして、韓国人の大半がこの取引を不名誉なものとしている。存命の被害者は非常に少ないので、抗議はそれほど頻繁にではないが、続いている。韓国の反日感情はまだ非常に強い。トクト(竹島)に対する日本の領土要求に関してもそうだ。したがって、歴史的な日付は両国でナショナリズムの感情を喚起する。日本がますます本格的に軍国主義化を進め天皇の権力を回復させようとしている今日ならなおのこと。すべての日本の近隣諸国で不安と深刻な政治的懸念が呼び起こされている」
「誰かを敵に回して友情を結ぶことは日本と韓国はあまり望んでいない。しかし、ワシントンとの関係は、ソウルと東京双方にとって国家安全保障の基盤である。そして、この三国同盟で米国が主要な役割を果たしいる間は、何かが変わることはほとんど期待できない。米国がこの米日韓三角ブロックを強化するためにどこまでのことができるかは、まだ将来の問題だ。また、次の米政権に依存する。もし米国の新大統領がトランプ氏になると仮定した場合、彼は既にあけすけに、同盟国を支援する気はない、と述べている」
多くの専門家はトランプ氏の発言を大統領選挙戦でのレトリックととらえている。中国ファクターを背景に、ワシントン、東京、ソウルの戦略的関係は安泰であると。しかし、近い将来、日韓がさらに歩み寄りをする前提条件もまた存在しない、とゲオルギイ・トロラヤ氏。