オバマ大統領は大統領在任時に、自らのコンセプト「核なき世界」実現で目に見える結果を示すことができなかったため、MDシステム強化に重点を置き始めた。これに対して韓国・慶南大学極東研究所のキム・ドンヨプ教授は、MD強化は核軍縮には特に意義を持たないとの見解を示し、スプートニク韓国からのインタビューに次のように述べている。
「米国は核兵器を先制使用しないという粘り強い声明はどちらかといえば、米国指導の下に展開されているMDシステムを論理的に根拠付ける試みだ。」
核大国は、先制攻撃は道徳的に正当化されるはずがないことは理解しているたに、頻繁に「核抑止力」というコンセプトを使う。この点では、仮定の核戦争での「攻撃」兵器と「防衛」兵器の差はそう大きくない。しかし、大統領在任中に「調停者」というステータスを定着させたいと思っているオバマ大統領にとっては、自らの平和の希求を常に周囲に思い出させることは重要だ。そのため、今オバマ大統領は今年の終わりまでにターゲットを定めたルートから外れることはないだろう。
キム・ドンヨプ教授によると、オバマ大統領による米国の核先制不使用声明は「抽象的で、象徴的な意味合いが強い」という。声明は、核なき世界の希求したリーダーとして歴史に名を残したいオバマ大統領の希望のほかには「なんらの真剣な根拠を持っておらず、実践的な意味を欠いている」という。
「いずれにせよこの声明は、オバマ氏の下で積極的に行われてきたMDシステム強化の方針に反する。それゆえこの声明は特別な注意を割くに値しない。なぜならもし米大統領選挙でクリントン氏が勝つと、このコンセプトの跡も残らなくなるからだ」