日本、史上最大規模の軍事予算:要因は中国以外にも

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日本政府は2017会計年度に史上最大規模の軍事予算を計上する。メディアの報道によると、防衛支出は2017年に2.3%成長し、5.16兆円に達する。日本の防衛費は2013年の安倍首相の政権復帰後、急激に上昇し始めた。

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新しい防衛予算は、日本が中国との係争を抱える尖閣諸島周辺での地位を強化するため初めて最大飛行高度数千キロの米国の最新地対空ミサイルを購入することを見込んでいる。また日本は、射程300キロのミサイルを搭載する潜水艦の開発を企んでいる。しかし、ロシアの専門家によると、安倍氏の外交政策は間違いなく中国という要因以外のものとも関係している。軍事予算の増加は安倍政権の政策の論理的なステップであり、容易に予測可能であった。そのことは何よりも、国内における右翼の強化と、政治家としての安倍氏の個人的な要素が顕著に表わされた権威主義的統治に反映している。これは、広範な社会的議論を通じた合意を得ることなく、反対派の意見を無視して、事実上一方的に重要な決定をとるという形で表わされている。スプートニクのインタビューで日本専門家ドミトリー・ストレリツォフ氏が述べた。

「これは、戦後の日本の法的規制の重荷からの脱出を目指した、非常に長く、熟慮されたうえでの、安倍氏の方針だ。中には第二次世界大戦の日本の記憶や、その戦争で侵略国の一つであったというコンプレックスにからむ、道徳的性格の重荷もあった。日本政府は、今日の世代の日本人は、何も正当化することなどない、ということを明確な方針とした。そして、日本は多くの国と同様、自らの外交利益を達成するために軍事力に訴えることもできるのだというシグナルを出している。つまり、明らかに、外交における軍事的要素の強化は世界における「真の軍事大国」という日本の新たな役割に関する安倍首相のヴィジョンに応じた国家戦略の一部なのだ。緊急事態には武力の行使をためらわないような国という役割。しかしこの政策は日本社会に多様な反応を呼び、世論はほぼ半々に分裂している」

それにもかかわらず、この外交政策は継続する、とストレリツォフ氏は確信している。

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「憲法問題では安倍氏はさらに歩を進め、全国民に関わる問題にすると思っておいたほうがいい。すなわち、国民投票まで持ち込むだろう。これを背景に、米国との軍事同盟は、さらに本格的な日本の貢献と、真の同盟国への転換という方向に強化される。しかし、同時に、より米国から独立した日本という要素も増加していく。これは、日本がアジア太平洋地域での軍事力を成長させることに基づき、より自立した政策をとっていくという形で表現される。それは、日本が同盟国であると考えるアジア太平洋諸国と東京の協力において表現される。しかし、基本的にそれは、当然のことながら、対中国を基礎とするだろう」

しかし、軍事費の増加は、一般大衆に対しては、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対する防衛力強化に伴う緊急出費であるとの説明がなされている。しかしそれは明らかに誇張である、という。ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレーリイ・キスタノフ所長は次のように述べた。

「北朝鮮の脅威は米国、韓国、日本によって人為的に膨らませられている。北朝鮮の核ミサイルがこれらの国の利益と国家の安全を脅かすなどと言うのはばかげている。特に米国だ。北朝鮮の核ミサイルは極めて低レベルで、常識的に考えれば、北朝鮮指導部に東京に核攻撃を開始する意味など何もないということはわかる。北朝鮮指導部は愚かな人々ではない。そんなことをすれば現体制の終わり、どころか国家の存在の終了を意味すると、彼らは、十分認識している」

多くの専門家が、人為的に膨らませられた北朝鮮の脅威は、この口実の下で地域での核戦力を維持し、アジア太平洋地域でワシントンの必要とする政治的・軍事戦略を実行するために、特に米国に必要なものなのだ、と言う点で意見を一致させている。東京はその戦略的な同盟国に追随するのを常とするが、日本の軍事予算の増加は、今日、それが自国の利益にも完全に合致していることを示している。


著者と専門家の意見は必ずしも編集部の立場と一致してはいません。

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