「私の知る限りでは、中国側は繰り返し、ロシアに対し、非公式に契約を持ち掛けてきた。ロシアが日本に対する紛争で中国を支持するかわり、中国はクリル諸島をめぐる紛争でロシアの支持を取る、と。中国は、実際には、今の日本とロシア間の紛争では、日本よりの姿勢だ。しかし、ロシアは中立を原則としているため、これを否定している」
最近、日本のメディアでしばしば、ロシアを「中国の脅威」抑止のグローバル・システムに引き込むことは悪くない、との日本の専門家の引用が見られる。産経新聞によると、ロシアと日本の関係を強化し友好的な関係を演出すれば台頭する中国の封じ込めに役立つという。5月のG7で安倍首相は、モスクワと北京が東京に対して団結しているという懸念を唯一の理由にロシアとの交渉を開始したいと述べた。しかし、ロシアの国益の観点からは、中日紛争におけるロシアの調停には意味がない、とストレリツォフ氏。
「当事者がすでにかなり立場を固めてしまっている。日本は領土問題は存在しないと主張し、中国は紛争の存在の認識を求めている。このような原則的な立場を歩み寄らせることはいかなる仲介者にも不可能だ。」
「ロシアはこれに反対だ。なぜならこれらのシステムは国際管理の外にあり、一方的にかつ潜在的に地域の力のバランスをどちらかに有利な方へ変更し、国際安全保障への新たな脅威を作りうるからだ」とストレリツォフ氏。
2016年6月に中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が署名したグローバルな戦略的安定性に関する共同声明で、両国は強く、THAADの配備に反対していることを思い出してほしい。それは「複数の大国の戦略的な利害を同時に深刻に侵害し、地域の緊張やミサイル拡散の脅威を加速させる」からだ。ロシアは地域における軍事・政治情勢と軍拡競争の国際管理を何よりも望んでいる。ロシアはアジアの安定と相互安全保障を必要とする、と専門家。
「この用語はもう使用されないが、アジア太平洋地域のための集団安全保障の何等かのシステム、それが今、ロシアが賛成しているものだ。そのため、ロシアはすべての国とでこの分野での対話を行い、このプロセスが多国間の性格を持つことに関心がある。この点において、ロシアはそのような安全システムの仲介者として、唱道者として大きな可能性を秘めている。しかし残念ながら、今、東アジアでは、米国と中国の対立に基づく新たな両極性ができており、このプロセスは不可逆的だ。」
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