「ガスと石油は日本へ、タンカーで運ばれている。そのために沿岸部にターミナルが建設され、液化天然ガス用の施設が置かれている。しかし海路による運搬は、欧米にあるような直接両者を結ぶガス及び石油パイプラインに比べ、当然かなり高くつく。そのさい、ガスや石油は、日本へ首尾よく無事に運ばれる必要がある。なぜならイランからのタンカーは、インドネシアの島々とインドシナ半島の間の3つの海峡を通ってやってくるからだ。これは大変危険なルートで、そこには海賊が出没する。そのため日本人達は、それに代わる何らかの他の可能性を模索している。日本は、自主的にメタンハイドレートの採掘さえ試みた。これは、北海道や本州などの大陸棚の海底に眠る凍結し凝縮されたメタンだ。日本政府は、この計画に米国の投資家も引き入れようと試みたが、プロジェクト実現には多額の資金が必要なことが分かり、今のところ放っておかれている。それ故ロシアのプロジェクトは、実際のところ、日本にとって極めて将来性があると言える。」
それ以外に、ここ数年ロシア政府は、国の内外の投資家達を支援するシステムを立ち上げた。続いてスプートニク日本記者のインタビューに応じてくれた極東発展機関の分析専門家、ワレーリイ・ドゥブロフスキイ氏は、特にこの点について指摘し、次のように述べた-
「このシステムには、重要な3つの点がある。第一点目は、国家自体が、投資コスト最適化のため、輸送インフラ建設に融資している好ましい条件下での、極東のインフラに対する投資だ。第二点目は、用意のできたエネルギー、輸送インフラ基盤を持つ先進発展地区の創設である。投資家達は、そこへやって来て、自分達の生産を伸ばすことができる。そして第三点目は、極東発展基金の存在だ。この基金は、投資プロジェクトを資金援助する。」
これについてドゥブロフスキイ氏は、次のように述べている-
「安倍首相がソチを訪れ、プーチン大統領と会見した後、ロ日経済協力において明らかな前進が生じた。それは、極東とアジア諸国の関係が、現実的かつ活発に発展し始めたことに顕著にみられる。特に最近、大規模なロシアのビジネスミッションがアジア太平洋諸国を訪れたし、特別の注意が日本に払われた。ロシアの企業は、日本を代表する大手企業と一連のプロジェクトについて詳しく話し合った。そこでは、これまで同様、エネルギー産業に、優先的な注意が割かれた。プロジェクトは当然、長期的なものだが、それを非現実的とみなすいかなる根拠もない。問題は経済の中のみにある。プロジェクトの経済的合理性が裏付けられれば、前進に向けた更なる数々の一歩を期待できるだろう。」
そうした前進は、何も日本ばかりではなく、日本を経由して、韓国にもつながる可能性が広がっている。