インターネット新聞「ナショナル・エキスパート」の分析専門家で、独立的な立場をとるガリーナ・ソローニナ氏は、次のようにとらえている-「ウズベキスタンの市民は、過激な『イスラム主義者』から、また彼らに関係した厳しい宗教的テロの慣習の『魅力』から自分達を守ってくれたことでカリモフ氏に感謝すべきだ。そうするあらゆる根拠がある。現在それは、ウズベク社会の前に立ちはだかる主要な脅威である。カリモフ氏が厳しく抑え込んだウズベキスタンのイスラム化は、変革の時期には国民にとって魅惑的なスローガンになる可能性がある。現在重要なのは、国が『内部から爆発』し始めないようにすることだ。」
この問題の重要性については、ウズベクの首都タシケントの政治学者で、独立系のジャーナリストであるアレクセイ・ヴォロセヴィチ氏も確信している。彼は自分のブログに次のように書き込んだ-
「すべての人が、次の大統領もカリモフ氏のように、イスラム主義者に対抗するのかどうかに関心を抱いている。もしイスラム主義者にシンパシーを持つ人物が大統領になった場合、すべては180度変わってしまうだろう。私は著しいショックが起きるとは考えていない。国内に組織された野党勢力は存在しないし、地方の実力者の利益間の矛盾も、現在のところ、どのような場合でも外側から見る限り、それを過激なイスラム地下活動家たちが利用するほど深刻ではない。」
またカーネギー・センターの中央アジア専門家、アルカジイ・ドゥブノフ氏は、次のように考えている-
「ウズベクにおけるイスラム過激派の存在を否定するとしたら、それは正しくない。刑務所には、イスラム過激派として何千もの人が収監されている。ウズベキスタン・イスラム運動が存在し、その代表者は現在、アフガニスタン領内にいる。カリモフ時代、彼らは、政権につく可能性は言うに及ばず、国内状況に影響を与える可能性も奪われていた。権力奪取の試みは、1990年代初めにあったが失敗している。その後彼らは、ほとんど『粉砕されバラバラになった』が、彼らの活動はテロの中で示され、最近までウズベクを震撼させてきた。問題は、彼らが自分達の影響力を今、ウズベク国内で強めることができるかどうかにある。社会的経済的状態が悪化している場合、それは可能だ。例えば現在、ロシア領内には、様々なデータによれば、ウズベクから300万から700万人もの労働移民がいるとされている。もしロシアとの関係が変わらなければ、何百万人ものウズベク人が自分の家族を養えるだろう。そうでない場合、貧困の土壌が作られ、その結果、イスラム過激派の影響力が強まってゆくだろう。そうなる可能性は存在しているが、今のところ危険のレベルについて判断するのは難しい。」
ウズベキスタンの状況がどう進展してゆくか、世界中のビジネスマンも注意深く見守っている。ウズベクは、天然ガスの採掘量で世界11位、ウランの埋蔵量で7位(世界全体の埋蔵量の4 %)、金の埋蔵量では4位、さらに綿花の輸出では世界第3位を占め、外国の投資家達が関心を持つのも当然だ。現在ウズベクでは、90を超す国々の投資家達が立ちあげた5千以上の合弁企業が活動中である。2015年には、日本の安倍首相も訪問し、総額80億ドルを超える共同出資プロジェクト実現に関し合意が結ばれている。
なお記事の中で述べられている見解は、必ずしも編集部の立場とは一致していません。