「蓮舫氏選出以前民進党の支持率・人気は極めて低かった。世論調査では支持率は10%程度、最近はこれを割り込んでもいた。2009年、同党は単に自民党がやったことを否定するというポピュリスト政党として権力を握った。そして、同党が統治した3年間、外政でも内政でも、同党はほぼ完全に失敗した。何より大きかった打撃は、福島の技術災害に対処することができなかったことだ。それ以来、野党として、同党は反対のみをこととした。支持も得られず、2012年に首相のポストについた安倍氏の方針に対置するべき建設的な計画を何一つ提案できなかった。しかし女性政治家であり2児の母である蓮舫氏の代表就任で同党のイメージは大幅に向上するかもしれない」
また、これにより、日本の最高権力における女性の立場の強化が促進される可能性もある、とワレーリイ・キスタノフ氏。
しかし、蓮舫氏の今後の仕事は楽ではない。課題は山積している。自民党の勢力は非常に強くなっている、とワレーリイ・キスタノフ氏。
「蓮舫氏の弱点は国籍問題だ。また、今後、参院から衆院に移るための努力がとられる可能性もある。首相のポストを狙う者は通常衆議院から出るのだ。これも困難な課題である。具体的、明確かつ理解しやすい、本当に有権者に魅力的であるようなプログラムを策定する必要もある。実際、現在の民進党のプログラムは、彼女の人気を高めてくれない。同党の議会における議席はあまりに少なく、共産党その他の小規模政党と連合するに至っている。しかし、最も重要なのは、蓮舫氏が国際紛争を解決する手段としての戦争を否定する9条など憲法改正に向けた安倍首相の方針と議会で激しく闘わなければならないということだ。もっとも憲法9条修正に関する議論での反対主張は岡田元党首の最大の切り札だった。蓮舫氏もこの方針を続けるのか?」
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