消息筋はイズヴェスチア紙に対し次のように語っている。
「日本は小さいほうのシコタン、ハボマイの2島に集中した。だが日本のエスタブリッシュメントの一部は4島全島返還交渉を強要している。」
「日本は極東に本格的な投資を行なう構えだ。これは道路、病院、都市のインフラ施設などの建設、そしてロシアのIT技術への投資だが、これらおよそ200億ドルの投資は10年間は回収が不可能だ。日本はこれをクリル問題を解決する交換条件としている。」
ロシアとの領土交渉を監督している元外交官の東郷和彦氏は、今、双方ともが深い理解に達する歴史的なチャンスを有していると指摘している。東郷氏は、経済関係が両国関係の起爆剤となると期待を表している。
ロシア科学アカデミー極東研究所、日本調査センターのヴァレリー・キスタノフ所長は日本はクリル諸島問題の解決の作戦方法を変えたと指摘する。
「日本は以前はクリル問題を政治と関連付けていた。ところが今は力点ガおかれる位置は経済へと代わり、投資と経済協力が筆頭に立っている。日本はロシアが評価できる好適な背景を生み出すことに期待をかけている。日本政府は極東開発と巨額投資を提案し、ロシア政府の譲歩を引き出そうとしているのだ。安倍氏はプーチン大統領との個人的関係に期待をかけている。安倍氏はこれを隠そうとはしていない。この2人のリーダーの間には非常に良好な関係がある。」キスタノフ氏はこう語る。
キスタノフ氏はクリル諸島に関する対話が活発化した原因について、おそらく安倍氏が2018年9月に首相の任期が切れることと関連しているとの見方を示している。
拓殖大学のヴァシーリー・モロジャコフ教授もキスタノフ氏の見解に同意を示しており、野心的政治家として安倍氏は領土問題を最終的に解決できなかったとしてもこれに著しい前進を達成することに望みをかけているとの考えを示した。