鈴木宗男氏は、9月23日付けの読売新聞に日本政府が南クリル諸島のうちシコタン(色丹)島とそれに隣接する無人のハボマイ(歯舞)諸島のみを獲得して平和条約を締結する用意があるのではないかという記事が掲載されたことについて、このプランを前向きに評価した。
残りのイトゥルプ(択捉)島、クナシル(国後)島については、読売新聞掲載のプランでは日本政府は2島への日本人の自由渡航体制を敷き、そこに合同の経済活動ゾーンを創設する用意があるのではないかと報じられている。この報道の信憑性を日本政府は公式的に否定している。
鈴木氏は、読売新聞に掲載されたプランについて問題を実際的に解決する1つの案と語り、安倍首相が9月2日、ウラジオストクでプーチン大統領と会談した際に「新たなアイデアに基づくアプローチ」への支持を表明したということは、諸島の主権および帰属のみを云々していたのでは前に進めないということを意味すると指摘した。鈴木氏は問題のプログマティックな解決を考えるべきであり、知恵を働かせ、ロシアにも日本にも利益がもたらされるよう行なう必要があると述べた上で他の道は残されていないと力説している。
鈴木氏は、まずは1956年の日ソ共同宣言を土台に2島の問題を解決すべきであり、その後、他の2島をどうするかについて話をつけるべきだと語っている。