中国人のこの関心は何に関係したものなのだろうか? これについてスプートニクは観光協会「国境なき世界」のスヴェトラーナ・ピャチハトカ会長にマイクを向けた。
「前向きな役割を演じたのは経済的なファクター、つまりルーブルの下落です。これでロシア観光はずっと安くなり手軽になりました。それから中国では今ちょうど外国旅行が盛んになってきているのです。しかもロシアは中国人観光客にとっては最も近いヨーロッパで、ロシアに来たことで中国人は自分のメモに『ヨーロッパにはこれで来たことになる』と印をつけます。このほか、他の外国人観光客と同じく中国人にとっては外国旅行は世界を知る旅だけではなく、ショッピングツアーでもあります。ロシアの商品は今ヨーロッパよりとても安いですから、もちろんのことロシアに来る目的には買い物も入っているのです。2つめの大事なファクターはビザなし渡航についての合意です。このおかげで5人から50人の団体がそろって旅行する場合、最長15日までビザなしで観光が可能となりました。ビザ申請の費用が省け、旅行準備の日にちが短縮されたということが大きく背中を押しました。そしてもちろんのことながら、両政府間の政治的環境が良好であることが多くの点で観光客数の増加を促しています。」
中国人がまず目指すのはモスクワとサンクト・ペテルブルグ。この2都市は中国人に最大の人気を誇る行き先だ。だがここ2年は中国人の側からロシアの他の地域への関心が高まってきている。これについてピャチハトカ会長は次のように語っている。
中国人の訪れる観光地が地理的に拡大しているだけではない。その観光シーズンも格段に長くなった。これについてピャチハトカ会長は次のように語っている。
「これまでは中国人のロシア観光シーズンは5月から9月とそう長いものではありませんでした。ところがこの数年、シーズンの長さが伸びています。これを促しているが文化、スポーツ、ビジネスに関連した年間を通じたイベントです。モスクワで言えば今非常に人気なのがライトアップのアートを競う『光の輪』フェスティバルや軍楽隊フェスティバルの『スパスカヤ』が観光シーズンです。フェスティバルや祝日といったイベントは観光客を文句なしに惹きつけます。しかもロシア全土の各地域でインフラが著しく改善されており、多くの歩行者天国や中国人観光客に合わせたサービスが提供されているのです。中国人向けの特別インターネットプログラム『チャイナ・フレンドリー』が功を奏しているのです。」
簡単に言えば需要は供給を生むということだ。だからロシアを訪れる日本人観光客の数がこの先増えれば、きっとJapan-friendlyというプログラムも始動することだろう。