冷戦の終わりでが「新しい時代」が始まるはずだった、と同氏。なぜロシアと欧米の関係は望ましくない方向へ進んだのが。誰のせいでこうなったのか。すべてを統括しようと欲した米国か、ソビエト時代の偉大さへのノスタルジーを抱えたロシアか。マーカス氏はこの疑問の解明に取り組んだ。
「欧米がロシアを共産主義を振り払った民族として受け取ることをしなくなったとき関係は損ねられた。新たな共同体として受け入れるべきところ、ソ連の継承者として受け入れ、欧米にとっての不信感の主要な源泉と見た」と米国の分析家、元CIA将校のポール・ピラー氏。
加えてNATOは常時拡大の用意があった。まずはポーランド、チェコ、ハンガリーなどの国を組み込み、続いてバルト諸国、すなわち旧ソ連領土を含み込んだ。ロシアがグルジアとウクライナの参入を防止したことは驚くべきことではない。そもそもロシアは欧米から公平に扱われていると感じていなかった、と評論員。