韓国ではなぜペテン師が大統領の側近になるというようなことが起こったのだろうか?地元のマスコミがロシアの有名な歴史上の人物を思い出し、朴大統領の友人をほかでもない「韓国のラスプーチン」と呼んだのも偶然ではない。コリアの専門家、ゲオルギー・トロラヤ氏は、この状況について「スプートニク」に次のようにコメントした-
「状況は、韓国史上、実際に前例のないものだ。国の大統領が長年にわたって国の行政機関の職務とは全く関係のない人々の影響下にあったことが分かった。しかもある種のカルト宗教と関係している人たちだ。そしてこれらの人々は、朴氏に何をするべきか、韓国の外交政策をどのように構築すべきかを示唆していた。特に大騒ぎを引き起こしたのは、朴大統領の友人のチェ氏が、朴氏のスピーチの内容まで手直ししていたということだ。さらに彼女は超自然的な力を引用して、北朝鮮が2年後に崩壊するのを確実に知っていると主張したという。そして彼女のこれらの予測に基づいて韓国の国家政策が構築された。その他にも大統領の側近たちは、朴槿恵大統領の父親が大統領を務めていた時にもあったように、汚職にも関与した。当時資金はビジネスから集められた。そのため韓国にとって汚職スキャンダルは十分馴染みがある。しかし大統領の側近のラスプーチンのような人たちによるある種のグループが国の決定に影響を与えていたということは、実際にスキャンダルだ。そこで住民も国の政治勢力も堪忍袋の緒が切れたのだ。」
これは、韓国大統領の弾劾が初めて現実のものになることを意味しているのだろうか?またこれは、韓国の政治勢力の今後の勢力バランスに影響するのだろうか?トロラヤ氏は、次のように語っている-
朴大統領の任期中に承認された韓国にとって重要な決定の一つは、米国のミサイル防衛システム「THAAD」の配備だ。
これが、朴氏の友人女性やスキャンダルを引き起こした側近たちの影響下で承認されたかどうかは今のところ分からない。しかし世論は、政府の方針がTHAADの配備先として提案された場所に住む人々の大きな抗議を引き起こしたことを確かに知っている。新大統領の下で、ロシア、そして何よりも中国がネガティブな反応を示したこの決定が見直される可能性はあるのだろうか?トロラヤ氏は、次のような見方を表している-
「決定の見直しはもちろん可能だが、いくつかのものは事実上元に戻すことはできない。注目に値するのは、開城工業団地の閉鎖も恐らく朴氏の友人女性の影響下で実施されたということだ。しかし今その操業再開は不可能に思われる。THAADはまだ配備されていないが、韓国の次期大統領は、THAADの韓国への配備に関する以前の決定に同意せざるを得ないのではないだろうか。これは単に、すでに出来上がった戦略的状況を事情としたものだ。」
スキャンダルを背景に、朴大統領の支持率は急速に低下しており、近いうちにも同国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領(汚職スキャンダルで自殺)の記録を打ち破るかのようだ。盧氏の任期終盤の支持率は約5パーセントだったが、朴氏の現在の支持率は14%で、低下が続いている。