海峡を挟んでサハリン南部から北海道の稚内まで40キロを結ぶケーブルを使って「ルスギドロ」の火力発電所から日本へ電気を送ることができる。日本市場のエネルギー需要に十分こたえる力を持った発電所の建設は、すでにサハリンで始まっている。先月10月に、発電機が設置された。プロジェクトへの融資に関する交渉には、国際協力銀行(JBIC)が参加している。見積もりでは、プロジェクトには60億ドルかかると見られている。しかしこれは十分採算が取れるものになり得る。なぜならサハリンのエネルギー価格は、日本の三分の一にしかすぎないからだ。
またモスクワでの会合では、.原子力エネルギー、エネルギーの効率的利用や再生可能エネルギー分野における両国の協力問題についても、当然取り上げられた。
今回の会合について、ロシア極東研究所日本調査センターの責任者ワレーリイ・キスタノフ氏は、次のようにコメントしている-
さて、もう一つ世耕経産相が出席した露日作業部会の第一回会議だが、これは経済発展省の建物内で行われた。この作業グループの課題について、アレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は「ロシアと日本のビジネス活動にとって最良の条件を作り出すことにある」と性格付け、さらに「我々が始めた仕事が成功するか否かは、人々やビジネス界そして経済に利益をもたらすプロジェクト実現において、具体的な成果を達成できるかどうかにある。まず第一に、付加価値の共同の鎖を作り出すことに向け、成果を上げなくてはならない」と指摘した。作業グループにより、90の共同プロジェクト が割り当てられた。そのうちのいくつかは、12月の露日首脳会談までに具体的成果を上げることが期待されている。現在日本の財界は、1兆円(約96億ドル)を超える約40のプロジェクトを、多かれ少なかれ具体的に検討中だ。 ただ、日本も加わっている西側の対ロシア制裁措置導入という条件下でのプロジェクトへの融資には、今のところまだ問題点が多いのも確かだ。
さて最後に付け加えておくが、12月のプーチン・安倍会談を前に、今月さらにもう一つ会合が準備されている。それはイーゴリ・シュワロフ副首相と岸田文雄外相による、露日貿易経済政府間委員会である。