サンクトペテルブルク郊外で組み立てられている日産・ムラーノや人気メーカー「セイコー」の時計、血中糖度測定器、建築塗料、化粧品、ウィスキー、日本酒、ノンアルコール飲料、水産物、フルーツ、野菜、土産物など、膨大な製品が、大使館の広いホールからあふれんばかりであった。
JA栃木が今回初めてモスクワで県産の青果を披露した。ジューシーな梨は小ぶりなメロンほどの大きさで、苺は模型かと思われるほど理想的な形。他に米や日本酒も披露された。総合販売企画の船生和孝さんは次のように語った。
「栃木は農業が盛んな県です。47都道府県のうち8位の農業県。品目別では、苺、梨、お米、和牛など。お米とお肉と野菜が三分の一ずつ、バランスよく作っています。シンガポール、マレーシア、インドネシアなど、アジアを中心に輸出をはじめており、今のところ売れ行きは堅調です。今後、ロシアも含め、色々な国に出していきたい。ロシアは遠いのですが、卸業者さんや運送業者さんなどと協力していきたいところです」
つい先日オープンしたばかりのオンラインショップ「JAPAN Brand HAL」の新川秀雄・代表取締役は、香川県からの参加。日本の工芸品の魅力を語った。
「天皇陛下が海外に行かれるときのお土産をご紹介しております。すべてハンドメイドです。手作りのお菓子、雑貨、それから食器、バッグ、靴下など日常使えるものを集めています。ショップ開設のアイデアは、妻がロシア人で、日本に来て、自分の欲しいもので日本にないものは全部インターネットで買ってましたので、ロシアの人たちもインターネットを通じて日本のものをいつでも買えるようにしたいと思いました。今まで海外に出ていなかった日本の優れた商品をロシアの皆さんにぜひ買っていただきたい。サイトはロシア語版を作っています。広いロシアのどこから注文いただいても日本からEMSでお届けします。ご要望があればすぐに反映しますのでおっしゃっていただけたらと思います」
「もちろんプーチン大統領の来日に向けて準備をしています。せっかく世界に対して山口県長門市のことが発信されるわけですから。ロシアの中でも山口県や長門市の食材をPRしたい。市ではプーチン大統領をしっかりお迎えしたいということで、市民がロシア語の会話教室を開いたり、ロシア料理のピロシキを市民で作って食べたり、そういったことが行われており、たいへん盛り上がっています。長門市の誇りは、美しい自然、豊かな食材、また人の優しさ。日露戦争の日本海海戦で傷ついたロシアの兵士を看病したり、亡くなった方を日本人と同じように葬り、今でも毎年お寺で法要が行われ、供養が行われています。そういった優しさを伝えることができたらなと思っています」