同連盟のフィリップ・レル総裁によれば、いわゆる「プロパガンダ」対策として検閲は適切ではない。そして投票で賛成票を投じたのが691議席のうち304人と全体の半数以下であったことも重要だ。大半は反対もしくは棄権だった。
決議の目標は欧州委員会とEU加盟国に対しロシアメディアに対する対抗プロパガンダ計画にさらなる予算をつけることだ。つまり、これが西側メディアの情報を正しく受け取ることを欧州市民に許さない唯一の原因だということだろうか。情報の客観性と視点の多様性に対し、西側読者はもはや権利を持たないのか。
ロシア政府付属財政大学政治学部長ゲヴォルグ・ミルザヤン氏がスプートニクに見解を語った。
EU決議の採択を機にスプートニクは日本のメディアにおける見解の多様性について先日日本から帰ってきた日本専門家のアンドレイ・フェシュン氏に意見を聞いた。ジャーナリストでなくても、職業的に日本に携わる国なら、しばしば日本のメディアをチェックしている。残念ながら日本のメディアは日露の深刻な政治問題についてきわめて限定的にしかロシアの専門家の見解を紹介していないという。
「日本はロシアの専門家の意見についてはロシアのメディアからは何もとってこない。それ自体がトップニュースになるような重大な声明なら話は別だが。よって日露関係の深刻な問題についてロシアの視点に関する日本社会の知識はきわめて限定的だ。しかも、意図的にそうしている。日本側は日本のメディアで報道される露日問題に対しては極めて選択的にアプローチしているのだ」
「日本の主要メディア、5つの全国紙は、ほとんど同じタイプの記事を掲載している。スタイルは違うのかもしれないが、内容については同一だ。たしかによりリベラルなメディアはあるが、相違はあまりに小さい。既成勢力には変化が許容できないからだ」
いずれにせよ各国が自国の立場を世界に伝える手段をもち、全世界の人が、自分たちの見解とは異なる見解もあることを知り、その上で自分の意見を形成する機会があることが重要だ。