事件が起きるたびに日本は米国へ抗議を表し、沖縄の住民のみならず日本全国で沖縄からの米軍基地撤廃を求める大規模な集会が行われてきた。今年6月米政権は年末までに沖縄県における米軍基地施設占有敷地の一部返還を宣言し、その返還のセレモニーは2段階方式に分けられ、第1段階が昨日21日東京で、第2段階が今日22日、沖縄県名護市で行なわれた。
在沖海兵隊司令官のローレンス・ニコルソン在日米軍沖縄地域調整官はこの敷地の一部返還について、日本指導部及び自衛隊との関係にも協力の意思にも影響しないと語っている。
日本学者で歴史学者のロシア国立人文大学のアレクサンドル・メシェリャコフ教授は、日本政権は米国との軍事同盟強化に賛同しているものの、米軍基地と隣り合わせの生活を味合わされている地元住民にしてみれば現状は気に入らないとの見方を示し、次のように語っている。
「実に多くの日本人が米国を批判するが、一方で彼らも米軍基地がなくして日本が自国の安全を独自に確保するのは困難だと理解している。日本のすぐ隣には核を保有し何をするかわからない北朝鮮と、やはり核保有国でますます国力をつけている中国、そしてやはりこれも核保有国であるロシアがある。何度日本人にロシアの核兵器はあなたたちを脅かすものではありませんよと説明したところで、その危惧感を拭い去ることはできない。
また、これは仮定だが在日米軍基地が一掃される事態ともなれば、これが意味するところは日本の軍国化であり、国民の意識も動員され、もっと大変な事に核の製造まで始まりかねない。
核製造に関しては日本は技術的には問題がない。必要なのは時間と資金だ。安倍氏は現時点でも米国との同盟を拒否することなく国防力を強化する路線を採っている。自衛隊の機能を拡大し、再軍備のために一連の法律を採択し、国防予算を拡大させている。
仮に今、安倍氏が自国民及び外国のパートナーらに軍国化の必要性を確信させねばならないとなると、最悪の場合このバリアは除去されてしまう…。」
今回の沖縄での米軍占有敷地の一部返還という行為は単に住民をなだめるためだけの象徴的なもののようだ。朝日新聞の報道ではこの4千ヘクタールの土地返還に喜ぶ人は沖縄県にはあまりいない。