2016年、日本の出生数は1899年以降初めて100万人を割り込んだ。厚生労働省の予測では、今のところ出生数が伸びる兆しは見られない。
日本の移民政策は依然として世界でも最も厳しいもののひとつである。日本のお役所の移民に対する保守的な姿勢を示した一例が、日本で生まれ育った17歳のシーク教徒、グルセイワク・シングの一件だ。ロイター通信によると、グルセイワクは自分を日本人だと考えており、日本語も何不自由なく話す。彼には、どうして事実上の祖国に留まることを国が認めてくれないのか、理解できない。
グルセイワク・シングは日本で生まれ育ちましたが、この国での将来を描けない袋小路に置かれています。 — 「祖国は日本」かなわぬ夢 漂う難民申請者の子どもたち https://t.co/Qjm2MJpRge
— FOX Japan (@FOXnewsJapan) 24 ноября 2016 г.
現在、グルセイワクと両親は、難民申請書類がいつまでも審査中のままだからというだけで日本に暮らしている。グルセイワクはまもなく高校を卒業し、大学へ進みたいと考えているが、仕事を見つけないことには学費を払うことができない。現在、約5000人が彼と同じ境遇に置かれている。
今や世界中に知られるところとなったフランスの小さな町カレーには、中東からの移民が居住するヨーロッパ最大の難民キャンプ、いわゆる「ジャングル」がある。移民は地元住民の平穏をますます乱すばかりで、ついにはカレー港へ向かう道路とキャンプとの間に、両者を隔てる壁を建設しなくてはならなくなった。
Un mois après le démantèlement de la "Jungle", les migrants se font discrets à Calais https://t.co/v8wMzyU7rV @BapBecquart #AFP pic.twitter.com/xZZiitdQBK
— Agence France-Presse (@afpfr) 3 декабря 2016 г.
一方、日本には騒乱やレイプの横行などといった「移民危機」はない。おそらく、厳しい移民政策がそうさせているのだろう。昨年、日本で難民申請をした7000人のうち、申請が認められたのはわずか27人だった。ここから日本のお役所の綿密な仕事ぶりが見てとれる。あらゆる書類を綿密に調査し、個別の外国人の日本滞在を合法化する理由や、それがもたらし得る結果についても徹底的に調べ上げる。
しかし、独自の伝統を守ろうとする多くの日本人は、今でもすでに、多くの移民が国内に暮らすことを良く思っていない。関西空港からの旅客輸送を行う日本の鉄道会社、南海電鉄がスキャンダルの的となったのはつい最近のことだ。車掌が日本人乗客に対し、外国人が多く乗車しているためにご迷惑をおかけして申し訳ないというアナウンスを行ったのだ。
高等経済大学人口統計学研究所のミハイル・デニセンコ副所長は次のように指摘する。「難民問題で日本が他国と異なっているのは、長きにわたって鎖国の伝統があったという点です。日本は文化的にも心理的にも、この鎖国から抜け出すのが困難なのです。」
外国人が日本社会に馴染めるようにするには、おそらく教育分野を含め、改革が必要になるだろう。古いメンタリティーを変えるには、小学校に上がる前から、より開かれた社会づくりの基礎となる考え方を身につけなければならない。