「これはどんな学部でしょう? これはいまだに研究が終わっていないものであり、宇宙、ブラックホール、宇宙空間、無重力空間における人間の行動など…、宇宙空間の開拓と関連する基礎科学全般です。新学部は宇宙開発分野での専門家を基礎分野に重点を置いて養成するための場となります。われわれの大学のようなポテンシャルを持つ大学は探したところでそう多くはありません。」
「ひょっとすると人工衛星も作り、またそれを打ち上げることが出来る大学は世界でもモスクワ大学1校だけではないでしょうか。私たちは2016年4月に人工衛星『ロモノソフ』を『ヴォストーチヌイ』宇宙基地から打ち上げましたが、この『ヴォストーチヌイ』には宇宙、大気圏を調査する数十台もの機器が設置されています。大体において宇宙時代が到来した当初からモスクワ大学の研究者、院生、大学生らは400を越える様々な機器を大型の宇宙機器に設置してきました。ということは我々の大学は宇宙空間の開拓を行ったパイオニアのひとりだということです。新たな宇宙研究学部は私の参画の元に作られた30の新たな各学部と同様、段階的に発展していきます。学部の機能が完全に揃うには数年はかかるでしょう。」
「ヴォストーチヌィ」宇宙基地用の人材養成を2011年、他に先駆けて合目的的に開始したのはブラゴヴェシェンスクにあるアムール国立大学だった。アムール大学では「ロケット複合体と宇宙工学」および「ロケットおよびロケット宇宙複合体の設計、生産、使用」と2つの方向性で人材養成が行なわれている。アムール大学をベースとして極東初の飛行管制センターが機能している。このセンターは遠隔測定法的情報をキャッチする作業を組織的、技術的に指導し、大学の小型宇宙機器を操縦し、国際宇宙ステーションのクルーらと通信を行うことができるものだ。