ジャーナリスト、ジョン・スウィーニー氏は番組案内の中で「この調査フィルムは、以前、米国のトランプ新大統領にもロシアのプーチン大統領にも会う機会を持った人物により準備された」と述べている。なお。実際、明らかになったところでは、スウィーニー氏にはかつてトランプ氏にインタビューしたものの、途中で中断となったいきさつがあり、プーチン大統領には「あなたは、ウクライナの一般市民の殺戮を望んでいるのか」と質問した事がある。
今回放映された「調査」フィルムも、いくつかの短いインタビューで構成されている。番組でカギとなっている質問の一つは「なぜトランプ氏は、プーチン氏に感嘆しているのか?」で、その答えは「世界の右翼的リーダーは、プーチン氏に共感を持っている、なぜなら力の政策に全く心酔しているからだ」というものにまとめられる。
そして「クレムリンには、トランプ氏の秘密情報があるのかどうか」という問いに対しては、番組の中で、ロシアの在野勢力の活動家、カシヤノフ元首相が「モスクワでトランプ氏が泊まったホテルの部屋に、特別の装置が仕掛けられていたと自分はほぼ確信する」と答えている。
また未知の脅威や標的型サイバー攻撃に特化したセキュリティ・テクノロジーを提供し、企業の知的財産や国家機密を守る企業であるCrowdStrikeの共同設立者、ドミトリイ・アリペロヴィチ氏は「世界反ドーピング機関(WADA)などを攻撃したハッカー集団Fancy Bearsは、ロシアの軍事諜報機関の下で働いている」と述べている。
また番組の中でスウェニー氏は、ウクライナにおけるロシアの「悪事の数々」についても語り、さらにトランプ新大統領の閣僚達について「彼らの一部は、ロシアとの関係に関し批判的だが、他の者達は、驚くべき程ロシアに近い」と分析している。たびたびトランプ氏は激しい発言をするが、中でも、CNNテレビに対し「ニュースはでっち上げだ」と非難した。この発言についてもスウェニー氏は「ロシアの政策が反映したものだ」と決めつけている。
なおスウェニー氏は番組の中で、トランプ氏とプーチン氏の行く道が今後違ってしまった場合「我々は、前よりもずっと寒い新たな冷戦の危機にさらされるだろう」と警告した。