挨拶に立った上月豊久駐ロシア大使は、昨年は日本からの訪問者も多く、忙しく内容の濃い一年だったと振り返り、「両国関係が活発化することによる忙しさは、大使として大いに歓迎」と話した。2017年は6月のサンクトペテルブルグ国際経済フォーラム、7月にエカテリンブルグで行われるロシア最大規模の総合産業博覧会「イノプロム」、9月には東方経済フォーラムなど、日本企業が参加する経済イベントが目白押しだ。特に今年のイノプロムにおいて日本はパートナー国となっており、日本企業の優れた技術や製品を存分にアピールする場となるだろう。上月大使は、「8項目の経済協力は民間企業が進める話。日本外交は皆さんの支えで動いている」と、企業関係者らに感謝の意を表明した。
来年2018年はロシアにおける日本年、かつ日本におけるロシア年でもある。文化やスポーツといったジャンルにとどまらず、政治・経済・教育・自治体間交流など、ありとあらゆる分野でロシアとの繋がりが深まることになる。官民とも今年は、そのための下地作りの年になることだろう。
モスクワ・ジャパンクラブの池村圭司理事長(住友商事理事・CIS支配人)も挨拶に立ち、日本では、昨年末のプーチン大統領の訪日に伴い、例年と比べるまでもなくロシアへの関心が高まっていると指摘。また、年明けからメディアの話題をさらっている米トランプ政権の今後について、「何が起こるかわからず、お化け屋敷に入るような気持ち」と例え、会場の笑いを誘った。今後のロシア経済については、ロシアと同じように資源に依存する割合の大きいサウジアラビアの経常収支が2年ぶりに黒字化したことを例に挙げ、ロシアの見通しも明るいだろうという見解を示した。
参加者らからは、今年から日露間のビザ要件が緩和されたことに関して評価する声もあったが、「やはり完全撤廃して欲しい」「せめて短期観光ビザだけでも撤廃すべき」などという声が聞かれた。