その後に予定される国民投票は、衆院選などの選挙運動とは大きく様相が異なりそうだ。「誰でもテレビCMを好きなだけ流し、戸別訪問での勧誘もできるって知っていますか」。改憲手続きに詳しい南部義典・元慶応大講師が、予想される事態を知ってもらおうと「図解 超早わかり 国民投票法入門」を出版した。
南部さんによると、発議から投票まで最大180日間ある「国民投票運動」の期間中、賛成や反対を呼び掛ける運動は年齢や国籍を問わず、誰でもほぼ全面的に認められる。ポスター張りやチラシ配り、街頭演説や集会開催のほか、インターネットでの勧誘も自由だ。投票日に投票所前でアピールもできる。
運動費には制限がないため、費用のかかるテレビやネットの広告では、資金力のある側が有利という問題点もある。
南部さんは、今国会中に両院の憲法審査会が改憲テーマを絞り込めば、次の国会では改憲原案が作成されるだろうとみている。「国民投票は民主国家における最大の行事。それまでにできることや問題点を知っておいてほしい」。