雪と寒さなら「売れるほどある」ロシアにはこういうニュースを聞くと妙な自慢をしたくなる人もいる。日本のハイテクをこよなく愛すホンダファンのセルゲイ・ドロシェンコさんもそのひとり。ものすごい低温だって日本は大丈夫だよ! だってお宅のホンダのバイク「ゴリラ」はマイナス30度でもちゃんとエンジンかかったもの! というセルゲイさんのエンジンをかけるまでの奮闘ぶりをまずはご覧いただきたい。
ここでご注目いただきたいのはセルゲイさんが片手に握る大事なツール。ロシア人が太古から現在にいたるまで使用している床帚だ。これの柄でセルゲイさんはサドルにこびりついた氷をたたき割り、雪を丁寧に払いのけ、愛車のホンダはその熱心さに心を動かし、ついにエンジン始動。ちなみにエンジンはセルゲイさんがホンダのボートのエンジンを改造したもの。
エンジンかかったのはいいけど、この先雪道をどうやって走るんだろう?と疑問がわく。大丈夫。雪道だって、いや道がなくたってロシアのバイク野郎たちはちゃんと走っている。それを証明するのがホンダのミニバイク「モンキー」のこの走りだ。
白樺林を疾走する映像には見ているこちらまで今にも幹に激突しそう。だがしない。しないのは(ここまでとは言わないものの)ロシア人が雪道を走ることに慣れているからだ。
正月休みでマイナス27度まで下がったときもモスクワでの自転車ラリーは参加者らのたっての願いで決行された。
もちろん路面凍結の歩行は注意を怠ってはならない。転んだら骨折だってありえる。経験者らは内股気味に一歩一歩踏みしめつつ歩くよう転ばぬ秘訣を伝授している。靴床は厚めを選び、換えの靴下をお忘れなく。皆さま、どうぞお気を付けて。