イスラエルのエルサレム・ユダヤ大学の行った研究の結果、名前にまつわるステレオタイプはその人がどんな人間になるか、どういった行動をとるかに影響しているという帰結が出された。その論文が「ジャーナル・オブ・パーソナリティー・アンド・サイコロジー」誌に掲載された。
「我々の場合、ボブという名前の男の人はティムという名前の男性よりずっと丸い顔をしていると受け止められている。こうしたステレオタイプが実際に人の顔に影響しうるか、またはその人を変えうると我々は考えている。」イスラエルのエルサレム・ユダヤ大学のヨナト・ツヴェブネル氏はこう語っている。
ツヴェブネル氏の率いる研究グループはイスラエル、仏でボランティアを集め、簡単なテストを行ってその行動を観察した結果、ある法則性を発見した。実験の枠内で被験者らには4種類の名前が記入された人のポートレート写真を見せ、その人の名前をあててもらった。その結果、心理学者らの驚いたことに仏でもイスラエルでもほぼ40%の被験者が正しい名前を当てることができた。
さらにおもしろいことに「名前を当てる勘」が働いたのは被験者が自分と同じ国籍の人物の写真を見せられたときだけで、別の撮影地の写真に変えられたとたんに正解率は「偶然の正解率」とされる25%以下にまで落ちた。