サウジアラビア諮問評議会経済・エネルギー委員会のアブデル・ラフマン・アルラシディ委員長は「スプートニク」に、サウジは日本の投資家による国営企業民営化プログラムへの大規模な参加に関心を持っていると語った。日本は石油依存度の低い経済を構築するために、他に何をサウジに提案することができるのだろうか? 匿名を希望するロシア人アラブ専門家は、「スプートニク」に次のような見解を示した-
なお日本はサウジで採れる石油や鉱物を強く必要としている。日本は同分野に投資する用意があるのだろうか?高等経済学院の日本専門家、アンドレイ・フェシュン氏は、次のような見方を示している-
「私は日本が新たな技術を提供する用意を示す目的は、より安価な炭化水素だと考えている。まずサウジアラビアで採掘されているガスの液化に技術を提供できる。安価な炭化水素の他にこれも日本を大きく後押しするだろう。サウジアラビアからの巨大タンカーによる石油輸送は日本の造船業界にとってよい刺激となる。これが日本経済にとっての2つの主なプラス面だ。」
雑誌「エクスペルト」の金融アナリスト、アンナ・コロエヨワ氏は、サウジアラビア国王の訪日はすでに歴史的なものと呼ばれていると指摘し、次のように語っている-
「国王の訪問には500人のビジネスマンや役人が同行している。サウジは自国製品の日本への輸出を軌道に乗せることに興味があるはずだ。今日これは特に切実なことだ。なぜなら昨年、原油価格下落を背景に日本とサウジの貿易額が著しく減少したからだ。共同経済ゾーンの企業はちょうど様々な特権を使用することができる。それはまず減税と金融支援だ。これはサウジアラビア製品を日本市場で促進するための素晴らしい可能性を提供する。また税制上の優遇措置や税関手続の簡素化は、日本企業がサウジアラビアで工場や研究センターを建設する刺激となる。すでに明らかになっているのは、サウジアラビアの政府系ファンドと日本の通信サービス会社『ソフトバンク』が協力し、2500万ドルでテクノロジーに投資するファンドを立ち上げるということだ。これらの計画は、原油価格の下落で過去2年間財政赤字となっているサウジの経済多様化計画と完全に一致している。」
「すでにトヨタ自動車がサウジアラビアでスタッフの教育を開始しようとしていることが知られており、サウジに自動車組み立て工場を建設することについても検討する可能性がある。これらの大規模なプロジェクトは両国にとって間違いなく有益だ。協力分野にはエネルギー、産業、医療、社会インフラ、投資、金融など9つの方向性が含まれている。合意は合わせて30件以上のプロジェクトに関係している」。
なおコロリョワ氏は日本とサウジの協力について、世界経済における現在の非常に強い傾向として見なすことができるとの考えを示し、次のように語っている-
「今多くの国がグローバル化離れしており、グローバル化を信じるのを止め、さらに積極的に地域化を目指している。そのためサウジアラビアと日本の同盟はその道における非常に成功した例の一つになると考えている。両国は良好な産業と、産業企業の競争力のある協力の連鎖をつくる力を持っている。今日、世界経済はこのような例やプロジェクトを必要としている。なぜなら世界経済の成長率は極めて低いからだ。サウジには主要なプレーヤーとなり、米国や中国の代わりとなる力が十分にある。」
また日本とサウジは、世界最大の石油会社「サウジアラムコ」の株式を東京証券取引所に上場させる可能性についても協議を続けることで合意した。日本とサウジの協力はスケールの大きなものになることが約束されているとの結論を、確信をもって導くことができる。これが実り多き協力になるかは、時間の経過と共に明らかになるだろう。