日本とロシアはつながるか?

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ロシアと日本は両国を結ぶ鉄道建設について検討している。ソチで開かれた投資フォーラムで、ロシア鉄道のアレクサンドル・ミシャリン副社長が明らかにした。ミシャリン氏によると、同件についてすでに日本と一度ならず協議し、その結果、同プロジェクトを実現する可能性を検討する作業グループの設立について合意することに成功した。なお日本の国土交通省は、ロシアと日本の輸送回廊プロジェクトについて協議が行われているのを認めているが、作業グループの設立については言及していない。同件に関する2国間閣僚会合は3度行われ、次回の会合は今年行われる見込みだ。

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ロシア鉄道研究所の推定によると、ロシアと日本を結ぶ鉄道あるいは自動車用の橋の建設費用はおよそ1兆ルーブル。同プロジェクトを実現するための強力なバックグラウンドもある。それは、鉄道輸送は海上輸送よりも安全で実用的だということだ。日本製品を欧州までシベリア鉄道で輸送する場合、その時間は船舶を利用するよりも短くてすむ。日本から中国北部への商品輸送は、ロシアを経由したほうが便利かつ安価だ。日本とロシアを結ぶのは技術的に可能だ。「ロシア鉄道」のオレグ・ベロゼロフ社長は、日本とロシアを結ぶ直通の鉄道あるいは自動車用の橋の建設は、可能性というよりも時間の問題だとの確信を示しており、「英国と大陸を結んだ英仏海峡トンネルの時のように、遅かれ早かれ日本はユーラシアと結ばれるだろう」と述べた。

サハリンと北海道を結ぶアイデアは20世紀末から存在しており、サハリンとロシア本土を結ぶ橋の建設案はさらに昔にさかのぼる。サハリンとロシア本土をつなぐ回廊の欠如は、島の発展にブレーキをかけている。フェリーや飛行機では貨物輸送量に対応することができず、島と本土を分離するタタール海峡(間宮海峡)は凍結するため、その時期は砕氷船でなければ通過できない。もちろんサハリンからロシア本土への回廊なしに、サハリンと北海道を結ぶ「橋」は考えられない。ロシア鉄道広報部は「スプートニク」に、その場合は日本が合意するか否かにかかわらず、サハリン島とロシア本土の間に橋がかけられる、ことを認めた。

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なおロシアと日本の間ではまだ平和条約が締結されていないため、日本側は決定を急がないかもしれない。一方で、モスクワ輸送技師大学の橋建設の専門家アンドレイ・フィラトキン氏は「スプートニク」のインタビューで、平和条約以外の理由もあると述べ、次のように語っている-

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「サハリンとロシア本土をつなぐ問題は非常に切迫している。日本からロシアへの輸送回廊についてだが、この問題の決定に影響を与えているのは、政治的要因の他に、法律や財政的な要因、そして鉄道あるいは自動車用の橋にするのかの選択だ。また純粋に工学技術に関する問題があり、その本質は構造上の安全だ。このテーマの議論全体につきまとうのは、安全性とコストという2つのキーワードだ。問題は、そこは気候条件、地理条件、水文条件が複雑な地域で、地震の影響を考慮せずにはいられない非常に複雑な地質構造を持っていることだ。しかし世界にはそのような橋の例があり、近いうちではないものの、建設の見通しはある」。

北海道-サハリン回廊プロジェクトの見通しが定かではないとしても、アジア太平洋諸国市場向けのロシア鉄道の他のサービスはすでに稼動している。それは極東の港からロシア西部の国境までコンテナを7日間で運ぶ「シベリア鉄道7日間」だ。輸送・物流企業「Eurosib」の専門家たちは「海上輸送を回避した高速輸送は常に必要とされている」との見方を示し、次のように語っている-

「日本の輸出は中国と比べるとそれほど多くはない。だがそのほとんどすべてが高価な製品に重点を置いたコンテナ貨物での輸出だ。日本は我々に機械、装置、自動車、合成ゴム、上質の紙、医療機器などを送っている。また露日の貿易総額は減少したのものの、ロシアからの輸出品は今も需要がある。なお日本へのコンテナ貨物での輸出が占める割合は約2パーセントだ。なぜなら日本への輸出品で主なウェイトを占めているのは燃料だからだ。コンテナ輸送が可能な付加価値製品の中には、木材、パルプ、アルミ、合金鉄などがある」。

そのほか、日本の荷送人のために「バイカル・シャトル」というサービスが特別に開発された。ロシア鉄道広報部によると、これは「ドアからドアまで」の仕組みで「周期を確実に守った定期的な貨物輸送」を提供し、横浜港からモスクワまでのコンテナ輸送のコストをバルト海の港を経由した海上輸送コストよりも低くするほか、輸送日数も42日から25日に短縮するというものだ。

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