スプートニク日本
2016年12月、ロシア国防省および連邦軍事機器協力庁の指導部との交渉のためフィリピンのデリフィン・ロレンザナ国防相はモスクワを訪問。そして翌年の2017年2月、フィリピンでロシア・フィリピン間で地域・国際安全保障問題を話し合う初の協議が行われている。このときロシア側の代表団を率いたのはニコライ・パトゥルシェフ連邦安全保障会議書記だった。
現在「ロシア国防輸出(ロスオボロンエクスポルト)」フィリピン向けの提案を準備している。アジア太平洋諸国の市場向けに最も将来性の高い機器として専門家らからは戦闘機 スホイ35、スホイ30MKM、スホイ30MKI、演習用軍機ヤク130、無人航空機「オルラン10E」と「タヒオン」が挙げられている。またヘリコプターのカー52、ミー17も外国のバイヤーの関心を惹きつけている。今年1月、マニラに停泊していたロシアの対潜艦「アドミラル・トリブツ」を視察したドゥテルテ大統領は、ロシアの戦艦に対して前もって通達を行えばフィリピンの水域に入ることを許可することを決め、ロシアが連合国となって自分の国を保護してくれることへの期待を表した。ロシア人軍事評論家のヴィクトル・バラネツ氏はこれについて次のような見解を表している。
「ドゥテルテ大統領が誰よりもまず最初にシグナルを送っているのがロシアと中国だ。我々はフィリピン海軍とは何かを非常によく理解している。フィリピンの艦隊は小規模で、当然ながらロシアや中国のような世界の大艦隊に寄りかかることを欲しており、フィリピンは共に演習や海上訓練を行うことを望んでいる。だがこの地域でなんらかの新たな軍事政治勢力を語るのは時期尚早だ。」
フィリピンがロシアとの関係強化を図ろうとしているのはこのほかにも農業、エネルギー、貿易経済分野での協力も同様で、これらについては両国間ですでに活発な討論が行われている。貿易経済協力に関するフィリピン・ロシア合同委員会の第1回総会は今年5月初旬にも行われる。またドゥテルテ大統領自身のロシア訪問日程はまだ合意に達していないものの、ロシア外務省のサイト上には今年上半期にも行われる予定と示されている。