ドミトリイ・ペスコフ大統領報道官は「特務機関は特に、今回のテロが、他ならぬプーチン大統領のペテルブルグ滞在中に起きたという事実について分析する考えだ」と述べた。報道官はまた「テロは、大統領を含めたロシア市民各人に対する挑戦である。まさにこの事が、特務機関の分析の主題だ」と指摘した。
ここ数年、テロ事件は、パリ、ブリュッセル、ベルリン、ニース、つい最近ではロンドンと欧州各地で相次いだ。そして4月3日には、ついにサンクトペテルブルグでも爆弾テロ事件が起きた。悲劇の責任が誰にあるとしても、ロシアは明らかに安全地帯ではなく、テロリストが完全に入り込むことのできる場所となった。この種のどんな犯罪も、瞬時に大きな反響を呼び、ソーシャルネットなどは、まさに爆風のような速さで噂を広める。社会には、自分や近しい人達の命が失われるのではないのかとの恐れやパニックが広がる。そして安全を守るためとの説明のもと、自由に対する様々な種類の禁止措置や制限に人々は従わざるを得なくなるばかりでなく、それを求めるようになる。
スプートニク日本記者は、情報分析センター「ソヴァー(ロシア語でフクロウの意味)」の指導者でロシア連邦大統領付属市民社会発展・人権評議会のメンバー、アレクサンドル・ヴェルホフスキイ氏に話を聞いた。氏は「テロリズムとの戦いについて語る場合、市民に新しい制限が導入されることは避けられないが、そこではバランスを守ることが重要だ」と述べ、さらに次のように続けた-
「安全を目指すあらゆる戦いは、それがテロリズムに関係するものであれ道路交通上のものであれ、何らかの制限を内に必ず含むものだ。我々は、そうした事に、世界中のあらゆる空港で遭遇している。人々は事実上、捜査対象にされ、そこでどんな不快感を体験しようと、彼らは、そうした措置が自分達の安全を保障するためのものだと理解している。ただ当然ながら、それは憲法が規定するような自由を制限するものではない。しかし常に、限界はどこにあるのか、いかにバランスを取るべきなのかという問いが生じる。
テロリズムとの戦いで必要なのは、まず第一に、予防措置である。具体的には、地下組織の追求やエージェントの導入、不審な人物からの聴取、彼らのリーダーの究明などだ。こうした事は、秘密諜報活動と呼ばれ存在している。ある場合、それがうまく行き、別の場合では、全く反対の結果を生むことがあるが、それはまた別の問題だ。テロ組織ネットワークに関与していない人達の生活に、特務機関が介入する恐れが、ほとんど常に存在する。特務機関も過ちを犯す。その場合、テロリズムとの戦いと個人生活への不介入との間の境界はどこにあるのかという問いかけが生じる。特務機関のこうした仕事が、危険で困難でかつ長期にわたるものである事はよく理解できるが、それは大変きちんと正確に行われなくてはならない。そうでなければ、人々をひどく怒らせてしまい、その事がまさにテロ行為につながる恐れがあるからだ。ただ単独犯のテロリストを追跡するのは非常に難しい。それゆえ私は、何らかの安全保障措置の強化に期待はするが、それらがどの方向に講じられるのか判断はできない。まして我々がいまだ、誰がペテルブルグでこのテロを準備し行ったのか分からないうちはなおさらである。もしそれが、イスラム過激派のテロリズムと関係があるのなら、イスラム教徒の間での予防作業が強化されるだろう。」
もう世界でテロが起こらないと誰も保証する事は出来ない。まして、テロリズムには国籍もなく、宗教もなく、国境もないのだからなおさらだ。彼らから身を守るには、皆で一緒に力を合わせるしかない。