スプートニクはロシアの心理学博士でモスクワ心理分析大学心理カウンセリング学科教授のナデジダ・にこの投稿についてコメントを求めた。マズロワ氏はすでに数年にわたって日本で国際結婚の夫婦のカウンセリングを行っている。
あなたは妊婦に対するこのような態度を実際に日本で目にしたことがありますか?それとも、これは特異なケースなのでしょうか?
こうした若い女性の心理学的特性をどのように捉えていますか?
「社会的には十分に恵まれた人たちであることが多いのですが、会話をすると、ある程度ノイローゼ症状が見られます。ときには、自己中心性や社会的症状など、非常に多くのノイローゼ症状が出ることもあります。日常生活では、さらに拒食症や過食症を伴うことも少なくありません。あるいは、パニック発作に悩む人もいます。彼女たちは実は脆く、傷つきやすく、優しい存在であることが多いのですが、なぜかまさにこうしたタイプの女性こそが、子どもや妊婦を特にうっとうしいと感じています。」
どうしてこのような現象が起こるのでしょうか?単なる身体的・心理的特性なのでしょうか?それとも、すでに社会現象となっているのでしょうか?
「人生の形としてchild-freeを選択する女性のひとつの共通項は、完璧主義者だということです。こうした若い女性が目標としているのは、理想的な体型、理想的な仕事、人生における理想的な成功です。彼女たちにとって、妊娠はこれらの目標とは相容れないものです。というのも、妊娠には体調不良が伴うことがありますし、出産後には体型が変わってしまうこともしばしばあるからです。ですから、彼女たちは家庭ではなく、キャリアに重きを置き、美や知性におけるずば抜けた能力を目標としています。彼女たちの人生の宣伝ポスターに妊婦はそもそも存在しません。ですから、妊娠した女性が、理想とはほど遠い体型でありながら幸せそうにしている姿や、やさしくお腹を撫でている姿を見ると、心の中で心理的葛藤が起こるのです。それが不適切な知覚という軽い神経症状が引き起こすのです。」
現代女性に見られるchild-freeの傾向は世界的なものなのでしょうか?
「概して言うと、そうです。しかし、かつて日本はその中には入っていませんでした。もしかすると、国の閉鎖性や一定の教育が原因で、日本ではこうした現象がそれほど知られていなかっただけかもしれません。ロシアについて言うと、ロシアでもこれはどちらかというとベールに包まれた性格を帯びていると思います。」
もしかすると、投稿に対するコメントの中に批判だけではなく、投稿者への同情のコメントが見られたのはそのためかもしれない。同情の声を寄せたのは、まさに妊娠することができず、電車で妊婦を見るとストレスを感じている人たちだった。投稿を読んだ一人の女性は次のように書いている:「子持ちに私の気持ちなんか分からない。普通に妊婦を見ただけで羨ましくなる・・・もう、いい加減にしてほしい!」こうした女性の中には、気分が悪くなる、妊婦に自分たちの気持ちは分からないと記している人もいる。
ネットで大きな論争をよんだエーヴリルの投稿は、社会現象として、単に良いか悪いかで検討できるものではない。この現象は今ここにある、ただそれだけだ。おそらくカウンセラーやジャーナリストには、この二大勢力を和解させ、彼らが調和の中で一緒に生きていけるようにするための、大きな仕事が待ち受けているのだろう。母になることが人生最大かつ最愛の使命である人たちと、人生の中でまず何よりも仕事などでの高みを目指す人たち。どちらも理解できるし、尊敬に値する。