米国は自由貿易に失望=ロシア人専門家

© AP Photo / Manuel Balce Cenetaトランプ大統領
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米国は、世界貿易機関(WTO)や現在の形式での多角的貿易体制を支持せず、深い改革をする意向だとの声明をはっきりと出している。米国の文句なしの優先順位は、2国間協定に与えられる。米国が現在こだわっている「フェアトレード」原則の支持者は、適切な国際労働、環境、社会規制を保障することが出来ないとしてWTOを批判している。本質的に、「フェアトレード」は「自由貿易」の代替物として活動している。ロシアAPEC研究センタータチアナ・フレゴントワ所長がそのような見解を示した。

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反グローバリズムの気運は全世界で伺え、国際貿易システムの破綻や、新たな合意に到達できないことは、目に飛び込んでくる。しかし、WTOのような機関こそがまさに、ロシアを含めた多角的貿易体制の全てのメンバーのための同じ土俵を作っている。2国間協定への移行は混沌を引き起こす可能性がある。

では、他は?米国が「フェアな」2国間貿易について話している時、中国は自国のプロジェクト「一帯一路」を進めている。日本とニュージーランドはTPPを復活させようとしており、ペルーやメキシコ、チリは自前の同盟を形成し、ロシアはユーラシア空間においてイニシアチブを実現している。

米国は歴史的に多角的貿易体制のモーターだった。米国が2国間協定に移行して、法的根拠としてのWTOを拒否することは、全ての国際貿易制御システムを危機に晒す。このような既成の秩序の代わりに何が来る可能性があるかは、まだわからない。

この前、日本政府は米国のTPPからの最終的な離脱を受け、将来的に貿易交渉を行う新たな貿易機関創設の検討に入った。これは日本企業が巨額の損失をこうむることを覚悟し、その代わりとなるものを探していることになったのか。

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