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ネット情報誌『RJD・パートナー・ルー』の24日付、「ロシアはグローバル輸送プロジェクトへの日本参加を支持」と題した記事をお届けする。
シベリア輸送調整委員会のゲンナージー・ベッソノフ事務局長は、北海道とサハリンを繋げることによってアジアと欧州を結ぶ国際輸送へ日本を加える可能性が現実的なものだと見ている。北海道・サハリン間の輸送網敷設には、日本がこの分野で有している高い技術が役に立つかもしれない。ベッソノフ氏は、日本がさらに、「中国からロシア領を通ってアラスカへ向かう鉄道敷設計画に参加するという可能性を用いることができるかもしれない」と述べた。
鉄道輸送問題研究所のパベル・イヴァンキン・ゼネラルマネージャーは、露日間の陸上輸送設備敷設が疑いなく、「旅客輸送の点からみて高いポテンシャル」を持っていると確信している。また、貨物輸送の展望はさらに詳細に評価する必要があると見ている。
しかしロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、ロシアを通る日本の輸送の展望について、一連の批判的指摘を行っている。ビジネス紙『ブズグリャッド(視点)』の5月25日付「シベリア鉄道が日本の輸送を引きつけるのは極めて困難になる」と題した記事でキスタノフ氏は、ソ連が崩壊してすべての経済がどん底に陥った時、極東はモスクワから切り離されたことを指摘。その結果、鉄道も低迷してシベリア鉄道の輸送量は急減。今日ではシベリア鉄道の問題は解決済みだと日本人を説得することが重要だとの見解をキスタノフ氏は示している。もう1つの障害がある。それは、ウラジオストク港では混雑や過負荷が常態化していることだ。キスタノフ氏によると、ここでもまたできる限り早く秩序を整える必要がある。さらに輸送料金を下げて、料金を柔軟にする必要がある。そうでなければ日本からの貨物は、シベリア鉄道利用の場合よりも3倍長く時間がかかる欧州への海上輸送ルートで旅をし続ける。
その代わり、ロシアから日本への旅行者の波は持続的に伸びている。
『トゥルビジネス(観光ビジネス)』誌の5月23日付の記事の統計によると、今年1月から4月にかけて、昨年同時期比3倍となる2万4000人のロシア人が日本を訪れた。ロシアの旅行オペレーターは、訪問数増加を促進したのは日本への航空券の価格低下と、極東諸都市からの日本直行便の数が増えたことにあると確信している。