北朝鮮が弾道ミサイル発射 日本はソ連製ミサイルを恐れるべきか?

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日本の稲田朋美防衛相は29日午前の記者会見で、同日早朝に発射されたミサイルは「スカッド」型ミサイルの可能性があると述べた。同ミサイルは1950年代に旧ソ連で開発。今回の飛行時間はわずか6分で飛行距離は450キロほど、高度は100キロほどだったと見られている。

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稲田防衛相は、「飛翔(ひしょう)距離などからスカッド系列の可能性がある」と述べた。
日本がこのミサイルの改良型をここまで注視するのはなぜか?そしてこの声明の中に、北朝鮮がまさにロシアの技術を上手く取り入れたことに対する非難は隠されてないか?
これらの質問について、スプートニクのインタビューでロシア人軍事専門家ウラジーミル・エフセーエフ氏は次のようにコメントした。

スカッドミサイルが何とかして北朝鮮に譲渡された可能性があるとしてロシアを非難することは、馬鹿げている。同型のミサイルはとうの昔にロシアでは生産から外されており、その生産の再開すら凄まじく高額になるほどだ。また、北朝鮮で現在重点が置かれているのは、より新型の2段式改良固体燃料ミサイルの開発だ。月曜日に発射されたミサイルはこの改良済みカテゴリーには当てはまらない、スカッドは液体燃料ミサイルなのだ。

© REUTERS / Damir Sagoljスカッドミサイルに似たミサイルが、2017年4月15日に平壌で開かれたパレードで披露された。
スカッドミサイルに似たミサイルが、2017年4月15日に平壌で開かれたパレードで披露された。 - Sputnik 日本
スカッドミサイルに似たミサイルが、2017年4月15日に平壌で開かれたパレードで披露された。

スプートニク:いずれにせよ、ミサイルは日本の排他的経済水域内に落ちた。ただちに国家安全保障会議(NSC)の閣僚会議が開かれた。日本にとってどれほど現実的な危険性を、北朝鮮のスカッドミサイルは持っているのか?

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エフセーエフ氏「北朝鮮のスカッドC(火星6号)には空力制御の操舵翼と、弾頭近くに安定翼が搭載されている。つまり、旧式のミサイルには今日、特別な操作要素が現れたのだ。このミサイルは4月に北朝鮮で行われたパレードでも示された。しかし、このミサイルが他と異なる特徴は大きな射程距離ではなく、より高精度な性能だ。ここから、同ミサイルへの関心も説明される。しかし日本がこのミサイルの件で心配するには値しない。性能的に日本に到達することが出来ないためだ。射程距離は500から600キロ。日本攻撃には明らかに距離が不足している。ミサイルが脅威なのは、韓国にだけなのだ。

しかし安倍首相は今回の発射を受けて、「国際社会のたび重なる強い警告を無視し、挑発行為を続ける北朝鮮に対し、わが国として、最も強い表現で非難し、厳重に抗議した」と述べた上で、「主要7か国(G7)首脳会議では、北朝鮮の問題が、北東アジアにとどまらず、グローバルな脅威であり、国際社会の最優先事項との認識を共有」できたとして、「北朝鮮に対する圧力を強化するため、アメリカや韓国と協力していく考えだ」と述べた。

北朝鮮のミサイル・核開発を抑える重要な要因としては依然として、厳しい制裁の形での圧力が提案されている。しかし、ミサイル開発への西側諸国の厳しい報復措置にも関わらず、北朝鮮のミサイル実験の結果はどんどん良くなっているという印象が強まってきている。5月14日の時点で北朝鮮は、韓国で新たな大統領が就任したあと初めてのミサイル発射を行い、先行する4度の実験とは異なり成功裏に終えたことは記憶に新しい。

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700キロほど飛行したそのミサイルのタイプについて、米国太平洋軍は、大陸間弾道ミサイルではなかったとの見解をすでに示しているが、観察チームは種類を特定できなかった。しかし、スカッドミサイルとは異なり、そのミサイルはすでに日本にとっての現実的な危険性になりうるとして、エフセーエフ氏は次のように述べた。

北朝鮮が様々なクラスのミサイルの開発をかなりの成功の下で進めていることは、確かに、国際社会の懸念だ。しかし、ここから必要とされるものは最後通牒ではなく、北朝鮮との話し合いへの出口だ。最近では誰も交渉の場を取り付けようとせずに、最後通牒を突きつけていただけなのだ。1つ1つのミサイルの件で騒ぐ必要はない。交渉から始める必要がある。西側諸国側から大きな譲歩をする代わりに、北朝鮮のミサイル開発を大きく制限するのだ。

今のところ、北朝鮮への圧力と脅しは正反対の方向へと北朝鮮政府を向かわせることにしかなっていない。さて、「地対空」ミサイルの成功裏に終わった実験後、北朝鮮は、大量のMDシステム制造を展開する意向だと発表した。

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