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「パラダイス」というポジティブなタイトルとは裏腹に、映画は、「選ばれた人のための幸せ」を信じている人間によって創られた地獄について描写している。コンチャロフスキー監督は「全ての人間は幸せになりたいと思っている。20世紀とは、それぞれの国民に、幸福な国家とはどうあるべきかという理想が生まれた時代だった。そこで、地獄を創造しなければ、天国を想像することはできないという理解が生まれたのだ」と話す。
映画は70年以上も前の出来事についてのものだが、監督は、現代に生きる私達にもこの映画はアクチュアルであるとみなしている。「何しろ現在、人々は、素晴らしい理想という名のもとに、最低な行為をしているのですから」
主演をつとめた女優ユリア・ヴィソーツカヤは、この映画を「真実の愛のたまもの」であると告白した。そしてコンチャロフスキー監督は「もし少し哲学的なことを話すなら、悪が誘惑的であることが私を不安にさせた」と話した。
日本人の観客は次のような感想を述べた。「とても深い意味をもった映画だった。こういう種類の映画、つまり整前としていて大きいアクションがない映画は、日本文化や日本の観客のスタイルに近いと思う」。
また別の観客は、映画に取り上げられているナチズムというテーマは、民族憎悪によって世界の各地で緊張感が高まっている関係から、現代日本の聴衆にとっても切実なものだと話した。
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