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今後20年から30年の間に、そうした急激なスピードで、今日経済の根幹を支えているような職業が、地球上から姿を消すだろう。経済のロボット化は、まず第一に、タクシー運転手や長距離トラック運転手、事務員や荷役作業員、建設労働者といった勤労者を一掃してしまう。すでに今日、中くらいまたは低い熟練度しか持たない労働者の数は、急激に減っている。そして調査によれば、そうした層の何百万という人達のうち、人工知能との競争の中で、新しい知識や技術を身に着け、新しい職を見つけることができる人はほんの一部に過ぎない。
シカゴ大学のエコノミスト、エリック・ハースト氏の調査によれば、高等教育を受けていない若い米国人男性の22%が、この1年間、1日も働いていなかった。その際、700万もの失業者は、仕事を見つけようとの努力もしていなかった。
しかし社会における犯罪状況は、悪化していない。そうした若者達は一体何をしているのだろうか? 彼らにとって大きな娯楽は、ビデオゲームで遊ぶことだ。しかし所謂「役に立たない人達」の層の代表者らは、どうやって生活しているのだろうか? ハースト氏のデータによれば、そうした言ってみれば「余計者」の若者達の大部分は、親のおかげで生活できている。2014年の調査では、そうした若者の70%が、親族の世話になっていた。2000年には、その数字は僅か35%だった。
将来、生活の中で自分を見失ってしまった人達にとって死活的に重要な要求は、無条件で与えられる基本的収入によって満足させられるだろう。それは、すべての市民に支払われる。昨年スイスでは、そうした支払いを導入するかどうかについて国民投票が行われたが、成立しなかった。スイス人達は、導入することで移民が増えることを恐れたのだ。
しかし6つの国ではすでに、このシステムを一部地域で実験的に導入する決定を下した。2017年には、カナダやフィンランド、オランダで、市民に毎月700から1400ドルの支給が始まる。
興味深いことに、人類はかつて、そうした状況にすでに直面している。例えば、古代ローマ時代だ。あの時代、GDPの基本的な部分は「生きたロボット」つまり奴隷達が生産していた。一方、自由な時間を持て余した市民は主に「食べる事と観る事」のみを求めた。古代ローマの娯楽も申し分なかった。コロシアムのオープンを記念して皇帝タイタスは、100日間続けて剣闘士達の戦いを催したと言われている。剣闘士達に対し1日に、5千頭もの野獣が用意されたという。このように古代の「余計者達」の楽しみは始められたのだ。しかしその後、皆さんもよく御存知の通り、いわゆる「野蛮人」がやってきて、すべてを台無しにしてしまった…
先に伝えられたところによると、学者らは人工知能が人類の頭脳の可能性を超える日を評価した。