スプートニク日本
例えば、バイオテロにより2001年10月11日、米国内で炭疽菌感染の最初の事例が報告された後、この現象は、悲しむべき事実となったのである。
スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、この質問を、ロシアの専門家、ウラジーミル・ツィヂェンダムバエフ氏に向けてみた。氏の考えでは、生物学兵器がどれほど多様であり得るかについて、我々の日常生活におけるものも含め、おそらく誰も正確には分からないだろうという事だ。
以下、記者とツィヂェンダムバエフ氏との、質疑応答を御紹介する。
ツィヂェンダムバエフ氏:遺伝子組み換え食品は、完全に、そうした兵器になり得る。なんらかの病原性細菌の遺伝子を、植物ゲノムに組み込むチャンスは常にある。例えば、コレラや、あるいは炭疽菌のようなものだ。そうした植物の種から得られる食物は、その後、バイオテロ攻撃実施のための手段として用いることが可能だ。毎日の生活の日常のレベルで、それは、少なくともアレルギーを、ひどい場合にはガンを誘発させる。しかし、そうした食物をとることで第一に影響が出るのは、生殖機能においてである。血液の成分が変化し、肝臓、腎臓、副腎に害を与える可能性がある。そして一度に数千の遺伝子の働きが変わる。
スプートニク:遺伝子組み換え食品の危険性は、誇張されているのではないか? なぜならそうした食品は最終的に禁止されていない。そんなに危険であるならば、なぜ社会は警鐘を鳴らさないのか
ツィヂェンダムバエフ氏:まず第一に、これは、遺伝子が組み替えられた種を作っている巨大多国籍企業によるビジネスだからだ。遺伝子組み換えを利用する根拠とされたのは、それによって飢餓状態にある人達を救う助けになるという事だった。それ以外に、定着しつつある遺伝子組み換え植物の70%は、除草剤に対する耐性遺伝子を含んでいる。それゆえ企業は、種ばかりでなく、それらが耐性を持っている除草剤も売ることができる。そうすることで、巨大多国籍企業の利益は、2倍に膨らむのだ!
スプートニク:大部分の国々では、遺伝子組み換え食品は、すでに禁止されたか、あるいは、どんな物質がどれだけ含まれているか、表示が義務付けられている。ロシアでは、どんな状況なのか?
とにかく様々な意見があり、遺伝子組み換え食物は有益か、それとも有害なのかという論争は、すでに何十年も続けられている。あらゆることから判断して、この問題については、今後もさらに長く激しく意見が戦わされることだろう。 人間は、遺伝子組み換え植物が持つメリットだけを用いる事を学ぶだろうが、御存知の通りメダルには裏と表があるものだ。反対派、賛成派どちらが正しいのか、時間が判断することになる。