ロシア人の食事に米が登場したのは15世紀のこと。当時の米料理は主に粥やスープなど、極めて簡素なものだった。とはいえ、ロシアのレーズン入り米粥は、フランスでは今も洗練された料理と捉えられている。
クラスノダール米はロシアの黒海沿岸、クラスノダール地方で栽培されている。ロシア南西部にあるこの肥沃な土地は歴史的にクバンと呼ばれている。これは北緯44度から45度にあり、世界の米栽培の北限である。クバンで米が栽培されるようになってから100年弱になる。この間、水田面積は常に増え続け、1975年にはクバン川に面積840㎢の新たな貯水池が稼働し、クラスノダール海と呼ばれるようになった。新たな水源ができたことで、クバンの米栽培費用は大幅に低下した。
クラスノダール地方でお米の収穫
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/ 現在、世界中で栽培されている米の品種は700種を超えるが、これらは大きく2種類に分けることができる。インディカ種とジャポニカ種だ。クバンの米農家が基本にしたのはジャポニカ種の品種だが、近年はインディア種の米も注目されるようになっている。インディカ種にあたるのは長粒種の品種すべてであり、ジャポニカ種にあたるのは中粒種と単粒種である。「クラスノダルスキー」と名付けられた米は単粒種の品種であり、その特性は日本の品種「錦」に相当する。
「クラスノダルスキー」は日本料理を作るのに最適である。この米は炊いたときに米粒が形状を保持し、それでいて必要な粘りを出す。もちろん、同じ品種であっても、栽培された土地によって品質や味は異なる。おそらく「コシヒカリ」が大好きな日本人であれば、「クラスノダルスキー」や「クバン」との違いに気付くのではないだろうか。
気候的な特性から、クラスノダール米は南で栽培される米よりも病気になりにくく、そのため、クラスノダール地方の米農家は化学薬品をほとんど使用しない。クラスノダール米は世界で最もエコな米なのだ。
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