スプートニク日本
試合をできるだけたくさんの人に観戦してもらうため入場は無料、6月22日の日本vsロシアの試合開始時間は20時だったため、仕事帰りの大人や家族連れ、若者たちが大勢訪れ、会場はほぼ満員だった。なお現地ルーザの大会組織担当者たちは、日本チームがルーザに来ることを大変喜び、日本対ロシアの試合前に、両国の歌を披露するミニコンサートを開こうとしたほどだった。コンサートは実現しなかったが、試合の休憩時にはロシアと日本の歌が流れた。ロシア人DJは、ロシアコールのみならず、「ニッポン!ニッポン!」と日本チームにも声援を送った。
今回の大会で日本とロシアは2度対戦した。惜しくも日本は敗れたが、日本の選手たちは最後までロシアを苦しめた。ロシア代表のセルゲイ・エフスチグネエフ監督は試合後、最初から最後までとても苦しい試合だったと述べ、「日本チームは私たちを緊張状態に陥らせた。日本との試合はとても苦しかった。私たちはいつもと違う水球をした。『敵を感じない』という、まるで(ゴールキーパー以外の)6人(1チーム7名)の敵がいないという感覚だったが、これは偽りの印象であるため、常に緊張状態が続き、集中し続けなければならなかった」と試合を振り返った。この発言を聞いたロシア人たちは、水球男子日本代表は「忍者だね」と言っていた。
ロシアのゴールキーパー、ヴィクトル・イワノフ選手も、ロシアメディアのインタビューで、日本は手ごわい相手で苦しい試合だったと感想を述べ、日本の戦術は他の国とまったく違うため、先を読むことができず、日本との試合では力を奪われて疲れてしまうため、ボールを前線に送るのが大変だと語った。
まさにこれこそが大本洋嗣監督率いる水球男子日本代表の戦術だ。大本監督は、日本は戦い方が違うと指摘する。普通はゴールを守るが、日本は体格差を補うためにスピードを活かしたカウンターアタックを狙う。「パスのコースを塞いでいく日本の特殊なディフェンス」は、どこの国もやっていない世界で唯一のディフェンスだという。日本代表の志水祐介選手は、日本チームはスピード、泳力、体力で上回ることが大事であり、相手をかき回して相手の体力を奪い、後半勝負というのが武器で、スピードから出るカウンターが一番の魅力だと語った。まさにこの戦術にロシアは苦しめられた。
水球は「水中の格闘技」と言われるだけあって迫力がある。また攻守の展開が速いためとても盛り上がる。実際に観戦したらその魅力がわかるはずだ。「ポセイドンジャパン」と呼ばれる水球日本代表は、これからも機動力に富んだ日本ならではの魅力的なプレイを見せてくれるだろう。2020年東京オリンピックに向け、これからもポセイドンジャパンの戦いは続く。水球日本代表の更なる活躍を心から期待している!