ロシアからこんにちは! 夢を通じて絆を深めたロシア民謡を愛する素敵な日本女性

© 写真 : Voronezh Russian Folk Choirロシアからこんにちは! 夢を通じて絆を深めたロシア民謡を愛する素敵な日本女性
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モスクワに久々に青空が戻った6月8日、モスクワ中心部のズボフスキイ4番地にある「スプートニク」日本語課に、日本の宮城県から女性のお客様2名がいらしてくださった。お1人は「スプートニク」の前身「ロシアの声(旧モスクワ放送)」時代からのリスナー、青木郁子さん。もうお一方は、青木さんのお友達の鈴木たか子さんだ。

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宮城県にお住まいの青木さんと鈴木さんは東日本大震災で被災された。残念ながら「スプートニク」は現在ラジオ放送ならびにインターネットでの音声放送を行っていない。だが2011年に東日本大震災が起きたとき、当時の「ロシアの声」は、モスクワから毎日2時間のラジオ放送を行っていた。青木さんは当時を次のように振り返られている-「2011年の東日本大震災のとき、電気もガスもない真っ暗闇の中で寒さに震えながら聞いた『ロシアの声』。地球の終わりかと思うような、絶望的な状況の中でも、ラジオはいつもと変わらず情報を届けてくれた。しかも、一万キロ以上も離れたロシアから。それだけで、『あ、すべてが終わったわけではないんだ!』と救われ、希望を持つことができた。電話もパソコンもあらゆる伝達手段が不能になっても、電池さえ入っていればラジオだけは聞くことができた。ラジオの偉大な力を忘れてはならないと思った」。

青木さんと「ロシアの声」との出会いは今から13年前。それはラジオのチューニングをしていたときの偶然の出会いだったという。青木さんは放送を聞き続け、モスクワにある放送局に、番組の感想やロシアについての質問、リクエスト、また日本の四季を感じることができるメッセージカードなどを送ってくださった。そして「ロシアの声」時代、また「スプートニク」となってから日本語課が危機に見舞われるたびに支え、応援してくださった。どんな時も決して日本語課を見捨てることはなかった。なお、この日本語課には、そのようなリスナーの方が大勢いてくださる。

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東日本大震災が起こったとき、これは日本ではあまり知られていないかもしれないが、ロシアはいち早く救助隊を日本に派遣した。被災地でロシアの救助隊員たちは自分たちの使命を胸に抱きながら活動した。また「ロシアの声」日本語課には、まさに文字通りロシア全土から日本への哀悼のメッセージや、「家を失ってしまったなら、私たちの家に住んでください」という、日本を襲った悲劇に心を痛めたロシア人たちからの言葉が次々と寄せられ、それらのメッセージは「モスクワからのホットライン」というひと月続けられた特別番組の中で日本に向けて放送された。日本では2011年の「今年の漢字」に「絆」が選ばれた。この年、ロシアと日本の間にも新たな絆が生まれたような気がする。

そして今回、日本からはるばる青木さんと鈴木さんが「スプートニク」に来てくださった。くり返すが、いま日本語課は音声放送を行っていない。だがお2人は初のモスクワ旅行の貴重な時間を割いてスプートニクにいらしてくださった。放送がなくなっても「絆」は続いているのだ。そして青木さんと鈴木さんは、レビタン・スタジオでの「動画インタビュー番組」に出演し、旅行の印象などについてお話してくださった。青木さんは帰国後、「『ロシアの声』の番組から教えて頂いたロシアの姿をこの目で見て、波乱万丈の歴史を積み重ねてきた国であることを再確認する思いでした」とのご感想をお寄せくださった。

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スプートニク日本語課には、日本や日本語を専門とするロシア人スタッフたちがいる。日本に憧れ、日本を愛する彼らにとって、日本からのお客様は喜びであると同時に、新たな「経験」でもある。放送を行っていた頃と変わらず今も日本語課を大切にしてくださるリスナーの一途な思いや、相手を思いやる日本人の心などに触れることで、ロシアにいながらにして日本を知ることができるのだ。

青木さんと鈴木さんは「スプートニク」見学後、モスクワ北東部での「ホームコンサート」に向かわれた。実は、青木さんと鈴木さんは、ロシアやウクライナの歌をレパートリーとする「仙台ロシア合唱団」のメンバーで、特に青木さんはロシア国立アカデミー民族合唱団、いわゆる「ピャトニツキー合唱団」の大ファンである。残念ながら合唱団本体は外国公演中でモスクワにいなかったが、日本公演の経験を持つ元メンバーたちが、自分達が指導する年金生活者たちの合唱団と一緒にお2人のためのミニコンサートを開いてくれることになった。ピャトニツキー合唱団の男性パートを指導していたアコーディオン(バヤン)奏者のエヴゲーニーさん、「いろんな物で音を出す名人」のセルゲイさん、功労芸術家のヴィクトルさんが中心となり、気の優しいロシア人女性たちの合唱団が、サモワールの周りに紅茶や甘いピロシキを用意してくれ、自分達のレパートリーを披露した。彼らは、ロシアの歌を愛し、実際に歌っている日本人女性たちが来てくれたことに感激した。そして最後は青木さんと鈴木さんも一緒に全員で「カチューシャ」を歌った。こうして日露の民間交流にまた、素敵なページが加わった。

青木さんと鈴木さんは「スプートニク」日本語課へのお土産の一つとして、「夢」と書かれた色紙をプレゼントしてくださった。これは書道家であられる鈴木さんの作品。「仙台ロシア合唱団」は、来年2018年に創立10周年を迎える。合唱団の皆さんは、ロシア訪問を夢見ているという。スプートニク日本語課のスタッフ、ピャトニツキー合唱団のメンバー、また大勢のロシア人は日本へ行くことを夢見ている(すでに日本を訪れたことがあったとしても、日本へは「また行きたい」と思うそうだ)。青木さんと鈴木さんが今回ロシアでロシア人と直接交流したことで、日本とロシアがお互いの夢を「伝え合った」ような気がした。この夢は純粋で、愛にあふれている。きっとこの夢からまた新たな絆が生まれ、人々がつながっていくのだろう。

青木さんと鈴木さんをお迎えしての「動画インタビュー番組」、スプートニク日本語課のロシア人スタッフたち、特別に開かれたロシア民謡のミニコンサートの様子が収められています。是非、ご覧ください!

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