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JAXAの評価では月への宇宙飛行士の国際探査は2025年より後にはならない。これに日本は稀有な技術を提供することで日本人飛行士を国際クルー団に含めることができる。自国の宇宙飛行士の派遣を唱えているのはロシアも米国、中国も同じだ。各国の宇宙航空団は今まで何度も月探査に関連したプログラムへの参加に手を挙げてきた。ロシアの「ロスコスモス」も2025年に月基地の建設を開始し、2035年には宇宙飛行士の月面着陸を計画している。中国国家航天局も負けてはいない。2025年までに月基地の建設の構えを明らかにしている。インドだって月面探査機を国産のものか、ないしはロシアと共同生産して月に送り込むと宣言した。また朝鮮民主主義人民共和国でさえ昨年2016年、10ん援護には月への有人飛行を実現すると言っている。
一方でこうした宣言を行う国全部を日本が追い越すこともあり得なくはない。日本政府は先の会議でNASAとの事業を承認したからだ。NASAの計画とは火星への有人飛行を今世紀半ばまでに成功させ、それまでに必要な技術を月ですべて完ぺきなものにしてしまおうというわけだ。2019年には自動カプセル「オリオン」を送り込めば、2021年からは当直メソッドでの作業用の宇宙飛行士が派遣できる。宇宙飛行士らは月ステーション「Deep Space Gateway」を建設し、そこから20年後くらいには火星ミッションをスタートさせるというわけだ。JAXAはNASAに月プログラムの様々なステップの準備で支援提供を行う構えで、その代わりに21世紀に初めて月面に立つ人間が日本人となるよう望んでいる。直接的な資金提供以外に日本がNASAに何を提供できるのかは、今のところ謎であり、現段階ではJAXA、日本政府の計画は明確にされておらず、単にこのプロジェクトへの関心が示されたのみだ。
だが日本が独立したプログラムを目指さず、他人の探査の席を買おうとばかりするのはおかしな話だ。JAXAは2007年から2009年の月周回衛星「かぐや」のミッションを成功裏にスタートさせたことを考えると、今回野心が見えないことには驚きを禁じ得ない。日本が技術上の力を持っていなければ説明もつくが、それは日本は持っているからだ。
例えば日本のロケット運搬機H-IIB。これは国際宇宙ステーションにいく自動宇宙貨物船H-II トランスファービークルを打ち上げたり、さらに地球に近い軌道や静止軌道に有用な貨物を運ぶために使われるもので、16.5トンの有用貨物を地球付近の軌道に運ぶことができる。比較のために書くと月宇宙船「アポロ11号」の重量は3人の宇宙飛行士を含め44.5トンだった。ソ連の月宇宙船LZMは月での長期の探査活動を保障するため2人の宇宙飛行士を運び、さらにソ連の月基地「ズヴェスダー」の上部を運んだが、その重量は15.4トン。これだけの貨物を運ぶのは日本のロケット運搬機は朝飯前であり、しかもH-IIBの様々な刷新プランは日本の有人飛行プログラムの枠内に存在している。つまり技術上は日本の月ミッションは十分に達成されたものであり、そのためにセレーネ2プロジェクトだって作られているのだ。セレーネ2は宇宙航空研究開発機構月・惑星探査プログラムグループ(JSPEC/JAXA)が計画している月着陸探査機である)。このプロジェクトの目的は2020年までに月基地を作ることにあった。ところが2015年このプロジェクトは打ち切られた。その理由はおそらく、あまりに高価についたからだろう。
同じような運命に見舞われたのが欧州宇宙機関(ESA)の「Lunar Lander」プロジェクト。ESAは2019年に月面着陸を、2024年に月への有人飛行をもくろんでいた。
ドイツ航空宇宙センターのヨハン=デェートリッヒ・ヴェルネル所長は「関心を持つ国は多いが、彼らには資金はない」としてプロジェクトをたたむことを宣言した。
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