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ジャパン・パビリオンの入り口では、ふわふわの白いアザラシが出迎えてくれた。メンタルコミットロボットであるアザラシのパロは、楽しみや安らぎなどの精神的な働きかけを目的にしたロボット。撫でてあげると気持ちよさそうに目を閉じる姿に、強面のロシア人男性も思わずにっこりしてしまう。ロボットをただの機械とみなすヨーロッパ人と違い、日本人はロボットに対して親愛の情を抱くことができる。
大規模展示会ならではのユニークな試みとして、「逆見本市」も行われている。通常は自分たちが売りたいものを展示するが、逆見本市では買いたいものを展示し、その製品を供給してくれるサプライヤーを探すのだ。今回はロシアに生産拠点をもつ「日立建機ユーラシア」と「いすゞルス」がこの方法でパートナーを探した。地場サプライヤーとの商談会は盛況。マッチングが契約につながることを期待したい。
© Sputnik / Asuka Tokuyama逆見本市。調達したい部品がずらりと並ぶ
逆見本市。調達したい部品がずらりと並ぶ
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イノプロムは一般来場者も入場できる。老若男女問わず大いに賑わっていたのは、自動運転車のモックアップと光ファイバーのワイヤーハーネスを展示していたフジクラのブースだ。フジクラは2015年、ロシアのチュヴァシ共和国チェボクサルィ市にワイヤーハーネス工場をオープンさせている。この工場では、現在道路を走っている車のための、メタルケーブルで作ったワイヤーハーネスを生産している。しかし近い将来、それは光ファイバー製に変わるかもしれない。フジクラの相澤徹(あいざわ・とおる)常務執行役員に話を聞いた。
相澤氏「自動運転車は、カメラやセンサーを搭載し、もちろんインターネットともつながります。走りながら自動的に障害物を認識して解析するので、車の中で膨大な情報を処理しないといけません。情報処理量としては、今走っている車の、14〜15倍になります。自動運転車が本格化すれば、自動車の内部配線は全て光ファイバーで作っていかなくてはならなくなります。今、自動車会社と開発中ですが、3年以内には実用化したいと思っています」
© Sputnik / Asuka Tokuyamaフジクラのブース。自動運転車のモックアップ
フジクラのブース。自動運転車のモックアップ
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近年、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)はロシアとの関係を深めており、同機構の古川一夫理事長もイノプロムに参加した。すでにロシアで実証実験が開始しているプロジェクトとしては、カムチャッカ半島における駒井ハルテックの風力発電や、モスクワ市内における京三製作所の高度交通信号システムがある。ロシアは膨大な国土があるため、遠隔地において電力を一定の地域内で発電・供給しなければならないマイクログリッド地域がある。そのような場所において、マイナス40度でも電力が安定供給できる風車は地域の命綱となる。また、ロシアの大都市はどこも慢性的な渋滞に悩んでいる。京三製作所の「ARTEMIS」は交通状態によって信号を制御し、渋滞を解消する賢い信号システムである。来月にも初の検証結果が出る見込みだ。このシステムの導入には、いち早くヴォロネジ市が意欲を示している。
© Sputnik / Asuka Tokuyama駒井ハルテックのブース
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駒井ハルテックのブース
© Sputnik / Asuka Tokuyamaプーチン大統領はかつてミズノの柔道着を愛用していた
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プーチン大統領はかつてミズノの柔道着を愛用していた
© Sputnik / Asuka Tokuyamaフジクラのブース。自動運転車のモックアップ
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フジクラのブース。自動運転車のモックアップ
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駒井ハルテックのブース
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プーチン大統領はかつてミズノの柔道着を愛用していた
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フジクラのブース。自動運転車のモックアップ