北海道は伝統的にロシア極東地域とのつながりが深く、サハリンに事務所を置いている。今後は更に、ヨーロッパ・ロシアとの交流を展開させていく予定だ。高橋はるみ知事はイノプロム初日の日露産業フォーラムに登壇し「北海道には、寒冷地におけるメイド・イン・ジャパンの技術や製品が蓄積されている」とアピール。ロシア政財界関係者との親睦を深めたほか、自ら北海道のブースに立ち、来場者に北海道名物ハスカップを使ったお菓子「北の散歩道」をふるまった。
北海道のブースには道内26の企業や団体が集まっている。加森観光株式会社の安藤茂顧問・営業本部長は、北海道のパウダースノーを宣伝に来た。ロシア人は山スキーというと、国内ならソチ、国外ならアルプスに出かける。しかし最近は、そのアルプスの地元民が北海道にスキーに来ているほど、北海道の雪質はすばらしいのだ。安藤氏は「標高があまり高くなく、大量のふわふわの雪が毎日降る地域は、世界中で北海道だけ。ロシアのお客さんも、ぜひスキーをしに来てほしい」と話す。
モスクワに事務所を開設して半年になる日本政府観光局(JNTO)もブースを設け、茶道のお点前を披露して日本文化をアピールした。日本へのインバウンド旅行を増やすという課題は、今のところすこぶる順調だ。モスクワ事務所の本蔵愛里所長によると、ロシアから日本への旅行者は今年1月から4月の推定値で、昨年の同時期と比べ35.8パーセント増。特に多かったのは桜の時期の4月で、前年比60パーセントを記録した。本蔵所長は「旅行者の絶対数で言えばモスクワからが多いのですが、人口比で見ると、リピーターも含め極東ロシアからの旅行者がとても多いです。この流れを維持して、2017年がトータル35〜40パーセント増で終われれば良いですね」と話している。
村山氏「この船は2009年から就航しており、この8年間、一度も止まったことがありません。DBSクルーズフェリーは韓国の会社ですが、鳥取県内にもウラジオストクにも事務所があるので、万が一何かがあったときでもすぐに対応してもらえて、安心です。しかしこの船はロシア人、特にロシア西部に住む方々に知名度がないので、もっとPRして利用を増やしたいと思います」
この日、鳥取県のブースでふるまわれた飲料やお菓子は全て、DBSクルーズフェリーで運ばれてきたものだ。県産品で特に人気があるのは梅ジュース。鳥取県内で生産された梅を加工したもので、自然な甘さが楽しめる。ロシアにある糖分過多の飲料とは違い、甘いけれども健康に良い、というところが人気の秘密だ。
先の報道によると、ロシアのエカテリンブルグで開催の国際総合産業博覧会「イノプロム」の来年のパートナー国が韓国に決定された。