芸術広場では盆踊り、屋台、武道、ワークショップやゲームなどが行われ、現代美術館「ガレージ」内では、映画上映や、生花・陶芸・手毬・書道等の教室が開催された。初日のクライマックス「舞太鼓あすか組」のコンサートは最高の盛り上がりを見せた。
J-FESTのプロデューサー、加瀬由希子さん(Japan Art Rainbow LLC代表)は「サブカルの中にも日本文化の奥深さがある。ロシア人に良い意味でショックを与えたい」と話す。
加瀬さん「J-FESTではロシア人に人気があるものだけではなくて、日本の優れたものを紹介し、良い意味でショックを与えたいと思っています。今年は初の屋外での開催ということで、私たちにとっても初めての経験でした。提灯を800個くらい日本から持ってきて櫓を建て、日本舞踊の先生を招いてみんなで盆踊りをしました。みんな一生懸命踊ってくれ、また、こんなにたくさんの人に来場してもらい、主催者の一人として幸せです」
エレーナさん「子どもの頃から日本の芸術や文学が大好きでした。コンテストに向けて、どうやって正しくゆかたを着るか、どうやって正しく歩くかを学んで、長い間準備しました。ステージに出るのが本当に怖かったですが、恐怖を乗り越えて、夢を叶えることができました。ゆかたは5年前に自分への誕生日プレゼントとして、ネットで日本のお店から買いました。ゆかたは日本文化の一部ですから、これを着るからには、日本文化に尊敬の念をもって接するべきだと思います」
エカテリーナさん「4年前に関西を旅行した時、大阪でゆかたを買いました。日本人はみんな親切で、いつも助けてくれました。日本の豊かな自然が大好きです。今はモスクワの小さな語学学校で日本語を勉強しています」
超絶技巧のパフォーマンスで拍手喝采を浴びていたのは、けん玉師の伊藤佑介さんだ。伊藤さんは日本文化をロシアの子どもたちに伝えるため、津軽三味線、能楽の専門家とともに、15年前にモスクワとサンクトペテルブルグを訪れた経験がある。
伊藤さん「15年前と今では街の様子が全く違います。15年前はアジア人狩りなどトラブルがあったので少し不安でしたが、いざ来てみたらとても温かい雰囲気になっていて、変わったなと思いました。モスクワには、2年くらいしかけん玉をやっていない人でも、日本で言えば3段、4段といった有段者に相当する人が何人もいます。昨日レセプションでロシア人と対戦したら、かろうじて勝ちましたけど、危なく負けるところでした。それくらい上手な人がたくさんいますよ」
屋台はどこも大行列でにぎわい、以前スプートニクでご紹介したセバスチャンさんのたこやき店とアナスタシアさんのたいやき店は仲良く並んで出店。たこやきは売り切れてしまい、たいやきも、ほとんどの味が売り切れてしまった。一番長い行列ができていたのは、お好み焼き、焼きそば、たこやきが同時に楽しめる居酒屋チェーン「いちばんぼし」の屋台。ここでも多くの人のお目当てはたこやき。たこやきは日本のアニメによく出てくるので、その影響で人気に火がついた。