16歳の女子学生リンダは、ドイツ・ザクセン州の、プリスニッツというさして大きくない町から、テロ組織「イスラム国」へ入り、イスラム国の活動家たちからイラク北部のモスルが政府軍によって解放されたときに、イラクで逮捕された。
リンダが両親の住む家を離れ、ダーイシュ(イスラム国)に加わるために中東に向かったのは、彼女が15歳のときだった。2016年の7月初頭、リンダは両親に「友達のところに泊まる」と言い、空港へ向かった。これが、両親がリンダを見た最後だった。
目立たない女の子
リンダの両親は離婚し、リンダの母は現在、新しい夫と暮らしている。「リンダとは面識があった」この地域に住む、匿名のある住人はこう話した。「彼女はとても静かな女の子で、誰からも気づかれないような子だった。私は彼女の家庭に問題があったことを、特に父との関係に問題があったことを知っている。おそらくはそのことが、彼女の逃亡の原因になったのだろう。後で知ったことだが、リンダはインターネットで、アラブ諸国の、若いムスリムの男性達と交流していた。そこで彼女は、多分ボーイフレンドと出会ったのだろう。よく若い女の子たちにありがちなように、ボーイフレンドがリンダに大きい影響をもたらした。最終的に彼は彼女に、イスラム国の戦闘員として中東に行くことを決心させたのだ」
リンダがあるときにイスラムに非常に魅力を感じていたことは、小さな町では「有名な秘密」だった。スプートニクへの情報提供者は「特に彼女の両親が、彼女の逃亡の前にコーランを自分の娘に贈ったことは驚くべき事実だ。両親はそのことに全く大きな意味を感じていなかったし、将来的にどんな規模のことが起こるか考えもしなかった」と述べた。
それはどこでも起こる可能性があった
家への帰還
7月22日土曜日、ドレスデン市の検察は、16歳のリンダがザクセン州出身のドイツ人であり、2016年の夏に消えた人物であると確定した。両親が彼女の失踪を訴え出ていた。また検察は、少女はモスルで拘束され、現在は在イラクのドイツ大使館で監視下にあるということを認めた。23日、リンダ自身が、イスラム国へ加わったことを後悔しているということを述べた。彼女の言葉によれば、彼女は両親のいる家にとても帰りたがっていると、新聞「ヴェルト」が伝えている。リンダは捜査当局に協力する準備が出来ており、必要な証言・陳述をするつもりだ。