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ロシアはトランプ政権の根本からの変化を待っていたが、その希望は実現しなかった。
ともかくも、米国がシリアを攻撃した後、ロシアは政治的環境が変わることに希望をもっていた。具体的には、米国の上層部にロシアがクリミア半島を併合した西側諸国が発動した制裁を解除しようというような雰囲気ができることを望んでいたわけである。ジョナサン・マーカス氏は、「それ以上に、ロシアは米国と、シリアのような紛争地帯において、また全体としてイスラム原理主義テロとの戦いにおいて、米国がロシアを対等な外交相手として見なすような取引をしたがっていた」と指摘している。
米国による新しい対ロシア制裁は、米国大統領選挙をロシアが妨害したからだとされているが、ロシアはこれを否定している。
これに対する返答としてロシアは、775人の米国人外交官をロシアから追放すると発表。この追放規模は歴史上最大規模になると見られている。冷戦のときでさえ、このようなことはなかった。
それらは全ては、何をもたらしたのか
ジョナサン・マーカス氏は、ロシアと米国の関係はこの追放劇がなかったときも良好とはいえなかったが、外交官追放が決まった今、未来を見渡しても、決して好転はしないだろうと考えている。
しかしそれと同時にジョナサン・マーカス氏は、「ロシアが米国外交官の数を制限したことは、比較的深刻でない返答だとも言えるので、ロシアはもしかすると、トランプ政権が戦略を立てる余地を残すためにこのようなレベルにとどめたのかもしれない」という風に結論を出している。また彼は、「トランプ政権の評価を誤り、再スタートを切ろうとしたことはロシアにとって役に立つ授業となった。なぜなら今ではロシアはトランプ氏と彼の周囲が、どれだけ予想のつかない行動に出るかということを学べたからだ」と付け加えた。