ロシアと米国の外交闘争はどこへ行く?

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ロシアが大量の米国人外交官の追放を決定したことは、ロシアと米国の関係の新しい再スタートが近い将来に行われる希望は完全になくなったということを意味する。BBCの外交解説者、ジョナサン・マーカス氏は、この出来事は両国の、いつ終わるともしれない完全対立の始まりになるのではないかと考えている。

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ロシアはトランプ政権の根本からの変化を待っていたが、その希望は実現しなかった

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両国関係をまたしても複雑化させたのは今年4月の出来事だ。選挙前はイスラム国との共闘を命題にしていたのに、トランプ政権はシリアの法的に認められた政府と積極的に戦うことにし、シリアの空軍基地に空爆を行った。そのときプーチン大統領は攻撃を「侵略的行為」と見なし、米国のシリアに対する攻撃は、イラクの一般住民の間に多くの犠牲が出ていることについて、全世界からの注意を遠ざける試みだ、と意見を述べた。

ともかくも、米国がシリアを攻撃した後、ロシアは政治的環境が変わることに希望をもっていた。具体的には、米国の上層部にロシアがクリミア半島を併合した西側諸国が発動した制裁を解除しようというような雰囲気ができることを望んでいたわけである。ジョナサン・マーカス氏は、「それ以上に、ロシアは米国と、シリアのような紛争地帯において、また全体としてイスラム原理主義テロとの戦いにおいて、米国がロシアを対等な外交相手として見なすような取引をしたがっていた」と指摘している。

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しかしながら、ジョナサン・マーカス氏が言うには、ロシアではトランプ大統領に関して、現実的とは言えない期待が生まれたのだという。米国議会は対ロシア関係を新しく制限する法律を承認。この法の大部分はエネルギー分野に関するものであり、ヨーロッパとの経済協力に悪影響があるとみられている。

米国による新しい対ロシア制裁は、米国大統領選挙をロシアが妨害したからだとされているが、ロシアはこれを否定している。

これに対する返答としてロシアは、775人の米国人外交官をロシアから追放すると発表。この追放規模は歴史上最大規模になると見られている。冷戦のときでさえ、このようなことはなかった。

それらは全ては、何をもたらしたのか

ジョナサン・マーカス氏は、ロシアと米国の関係はこの追放劇がなかったときも良好とはいえなかったが、外交官追放が決まった今、未来を見渡しても、決して好転はしないだろうと考えている。

しかしそれと同時にジョナサン・マーカス氏は、「ロシアが米国外交官の数を制限したことは、比較的深刻でない返答だとも言えるので、ロシアはもしかすると、トランプ政権が戦略を立てる余地を残すためにこのようなレベルにとどめたのかもしれない」という風に結論を出している。また彼は、「トランプ政権の評価を誤り、再スタートを切ろうとしたことはロシアにとって役に立つ授業となった。なぜなら今ではロシアはトランプ氏と彼の周囲が、どれだけ予想のつかない行動に出るかということを学べたからだ」と付け加えた。

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