スプートニク日本
トランプ氏は生中継された演説で、米国の対アフガン政策の方針を伝えた。その方針は米国の先行の戦略を特徴づけていた全ての綱領のほぼ完全な繰り返しで、つまり、テロとの戦い、アフガン政府の支持、駐留米軍の迅速な撤退の拒否とテロとの戦いにおける駐留軍の権限拡大だった。古くからの方針を繰り返すために演説をぶつ必要はなかったはず。となると、演説には何か新しい要素があったはずだ。新要素となったのは「私たちは駐留軍の人数や、今後の軍事活動の計画について伝えていかない」という部分だ。まさにこの点で、今回打ち出したアフガン戦略は以前の戦略と大きく異なった。
駐アフガン米軍の活動は以前、国際社会に対して極めて開かれていた。この伝統は、国連憲章第51条の規定に基づき実行された2001年「不朽の自由作戦」から始まった。タリバン壊滅に向けた戦闘行為は、国際安全保障上の特別な成果として広く報じられた。しかし今、トランプ氏はこのオープン性の伝統を終わらせると決めた。
以降、米国はアフガンでの行動を国際社会に報告しない。トランプ氏は全世界に、ただ彼の言葉を信じるよう提案しているのだ。ここから明白になることは、トランプ氏がテロとの戦いというレトリックに今のところ身を隠しながらも、アフガニスタンでの米国の戦略的利益のみを追求すると決意したことだ。どうやらこの戦略的利益は、蓋をせざるを得ないものなのだろう。
米国がアフガンで何より関心を抱いていたのは常に、バグラムやシーンダンド、カンダハールという大型空軍基地だった。ソ連軍によって建てられたこれら空軍基地は、米国が後に拡大し近代化した。全タイプの航空機を受け入れる大型空軍基地は、大型駐留軍の展開・供給基地としても、ロシアや中国の標的に核弾頭を搭載した巡航ミサイルで突如攻撃できる戦略爆撃機の駐留基地としても機能する。この観点から、アフガニスタンにある空軍基地は米国にとって極めて役に立つ戦略的位置を占めているのだ。
私が確信するところ、トランプ氏はこうした事情からアフガン情勢に関する箝口令を敷いた。