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スクライン氏は日系人ベンジャミン・デミオ役での出演が決まっていたが、これを自分が演じることによってその登場人物を「白人化」することになってしまうと考えた。
映画における登場人物の「白人化」とは、白人以外の人物を白人俳優が演じることを指す。
スクライン氏は「登場人物を文化的に正しく表現することが大切だ」と考え、この責任を軽視することで、芸術における人種的少数派の歴史浸食という悲しむべき傾向に加担してしまうと判断したのだ。
同様の論議は昨年、日本の人気漫画『攻殻機動隊』の実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル(原題)』のキャスティングでも起きていた。米白人女優のスカーレット・ヨハンソンが日本人の草薙素子役に起用された際、著名人やインターネットユーザーからの批判が相次ぎ、この配役発表後、彼女の降板を求めて行われたオンライン請願(インターネット上の署名活動)では6万5000人を超える署名が集まった。
米テレビドラマシリーズ『エージェント・オブ・シールド』の出演で知られる香港系米国女優のミン・ナも「今回のようなアジア系人物の典型的な白人化には、断固として反対しています」とツイッターに書き込んだ。
米在住のコミック作家John Tsuei氏もまた、原作漫画でアジア文化の中心の一つを成す日本人女性の役にヨハンソンを起用したことは「アジア系人物の単なる除外だけではなく、主題から全てのストーリーを消し去ることだ」とツイートしていた。
これより前、映画「ワンダーウーマン」の公開は地政学的なスキャンダルを呼び起こした。レバノンはこの映画の上映を禁止した。なぜなら主演を演じている女優が、イスラエル軍に所属していたイスラエル人だからだ。