一つ目の共同プロジェクトは、自動車のリサイクルと高度処理工場だ。工場の建設に取り組むのは、ロシアのグループ企業「スモトリ」と日本の「荒井商事」。荒井商事の荒井亮三・代表取締役社長によると、同社はすでにTOPの居住者ステータスを得ており、自動車の引き取り、保管、分離、処理を行う場所となる3ヘクタールの土地が決定しているという。今年10月にも建設が開始され、来年2018年5月には業務が始まる見込み。共同プロジェクトは「TerminaTOR(ターミネーター)」と名付けられた。
ロシア極東発展省の代表者ユリヤ・シャチナ氏は通信社「スプートニク」に、自動車リサイクルは極東地域にとって極めて焦眉の問題だと述べ、次のように語った-
「これは極東における初のリサイクル工場となります。ウラジオストクの住民たちの日本車への関心が失せることはありません。ある時日本車に乗ることになった人たちは、日本車に乗り続け、他の車に変えることはありません。いま沿海地方では120万台以上の自動車が登録されていますが、その4分の1が20年以上前に製造されたものであり、圧倒的多数が右ハンドルの日本車です。1990年代初めからドライバーたちは日本で中古車を買い付け、それをウラジオストクで転売しました。これは2008年にピークを迎え、当時、沿海地方には日本から右ハンドル車50万台超が運ばれました。ここから車は極東、シベリア、ウラルの別の地域のドライバーたちによって買われました。ですが圧倒的多数は沿海地方の首都ウラジオストクに残りました。今はもちろんポンコツ車ははるかに少なくなりましたが、それでも問題は解決されていません。新工場の利点は、リサイクルするだけでなく、自動車部品の『スマート』で高度な処理を行うことにあります。ガラス、プラスチック、金属その他の部品の分離です。これによりプロジェクトの副産物となる追加生産が可能となります」。
TOR「ナジェジジンスカヤ」は、ウラジオストクから32キロに位置する多面的な生産・物流エリアで、現在ここで27の居住者が投資総額210億ルーブル超の投資プロジェクトを実施している。