今回のフォーラムでは、ウラジオストクにおける日揮のリハビリテーションセンター開設や、居酒屋チェーンとして極東に初上陸した伸和ホールディングスの「炭火居酒屋炎」などが話題に上っている。今までになかった様々な業態の日本企業がロシア極東へ進出し始める中、村山氏はロシア極東の投資環境について次のように話している。
村山氏「極東はとても日本に近いですから、我々としては市場があって商売として成り立つのであれば、モスクワで商売をするよりは極東でする方が良いわけです。そういう意味ではポテンシャルとしては非常にあります。経済特区の設置やウラジオストク自由港(※自由港入居企業に対しての優遇措置・入国ビザ制度の緩和)といった、ロシア政府の政策面は評価しています。しかし、企業が投資するには、市場がなくてはいけません。その意味ではロシア極東は人口が少ないので、市場がなかなか求められないのです。とすれば、極東を通じて作ったものを世界に売る、ということを考えなければいけないでしょう。そうなるとコスト面や品質面で競争力があるかどうか、安全安心を担保できるかどうか、という点が大変重要になります。これは腰を据えてやっていかなければなりません」
ROTOBOは日本からコンサルタントを派遣してロシア企業の生産性向上のためのアドバイスを行ったり、ロシア企業の技術者を日本へ招いて人材育成を助ける研修を行ったりしている。そうすることで将来的な日本との取引拡大が見込める。近年では極東にも、中古車や電子機器の販売を営む、ユニークな企業が現れてきた。
また、今年8月から、事前にウェブサイトで手続きすれば、「自由港」経由でロシア極東を訪れる日本人は、到着時にビザを受け取ることができるようになった。村山氏は「ビザ緩和が実現したと聞いて非常に嬉しく思っています。ビザというのは本当に、一つの障壁になりますから、その問題がなければもっと気軽にロシアへ行って打ち合わせをすることもできます。また観光にも非常に大きな影響があるでしょうから、喜ばしいことです」と話している。