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マッコウクジラを発見したのはクナシル島をパトロールしていたロシア非常事態省、国立小型船検査局の職員ら。職員らがメドベージ岬付近を見回りしていた際に、浅瀬に母親と2匹のこどものマッコウクジラが入って出られなくなっているのを見つけた。
検査官らは自然保護区「クリルスキー」に直ちに連絡をとり、地元民の協力も得て、まず子どものクジラを、次に母親を水深の深い場所へと誘導を図ったものの、クジラたちは泳いでいくことができず、浅瀬にとどまってしまった。
国立小型船検査局の職員、ドミトリー・ソコフ氏は「雌はかなり大きく、体長およそ3.5メートル、こどもは2メートルくらい。母親を救おうとしている間、こどもは母親から遠くへ離れていこうとせず、周囲を泳ぎまわり、雌を深い場所まで連れて行くまで待っていた」と話している。
ソコフ氏の話では、クナシル島では毎年シャチやナガスクジラ、マッコウクジラの死体が見つかっている。ソコフ氏は過去30年でこうした海洋生物の救出に成功した例はほかになかったと語っている。
マッコウクジラはハクジラ類の中では最大。遭遇する例は稀で、捕獲すると短時間で死んでしまう。このためマッコウクジラの研究は進んでおらず、個体数もわかっていない。沿岸部に打ち上げられるのは母親と生まれたばかりの子どもであることが多い。
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