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2015年春、ドイツの偉大な作家でノーベル賞受賞者のギュンター・グラス氏は死の数日前に新たな戦争の危険性を警告した。また2017年初頭には、「ドイチェ・アセット&ウェルス・マネジメント」社のエコノミスト、ジョシュ・ファインマン氏が、今後数十年にわたり世界ではグローバル化プロセスが減速する可能性があるとの報告書を発表した。
セルビアの首都ベオグラードにある欧州調査研究所の専門家、アレクサンダー・ガイッチ氏は、通信社スプートニクのインタビューで、次のように指摘したー
「ベルリンの壁崩壊から現在に至るまでの時代はイデオロギー的分極の欠如を特徴としており、今やすべてが資源や権威をめぐる争いに戻りつつある。新たな同盟が形成され、世界は多極化に向かって進んでいるが、1914年の時のように連鎖反応を引き起こすかもしれない同盟らの明確な輪郭は、まだ形成されていない」。
セルビアの作家で時事評論家のムハレム・バズリ氏は、スプートニクのインタビューで、2極化の世界はベルリンの壁崩壊と共に存在を停止したが、現在の世界は第一次世界大戦前のように明確な構造を持っていないと述べ、「現代世界で最も予測不可能な要因の1つが、ベルリンの壁崩壊後に存在しなくなった時代の痕跡として残った北朝鮮であることは興味深い」と指摘し、次のような見解を示した-
「実際に状況を変えるためには、考え方を根本から変える必要があるが、それは起こっていない。スペイン、米国、ギリシャの様々な勢力を例に見てみると、世界の状況に満足していないという考えがあるのがわかるが、まだ誰もこれを変えることのできる方法を明確に提示していない」。
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